【文スト】【文豪ストレイドッグス】短編集【中原中也詰め】其の9

爆発するかもしれません！【青紫様リクエスト：爆発いたしません！続編】 ページ1

流華は銃器保管庫の住人みたいな物だ。
銃器火器の保管、点検を主な任務とする。
裏方部署だが、有事の際は前線に立つ。

其処で、部下を抱えているのだから、彼女の実力は推して知るべし、だ。

しかし、普段は残念なくらいの銃器ヲタクでしかない。

『だからですね！この弱点を克服して後に生み出されたのが此方の銃で…』

目をきらきらさせて語り続ける銃の歴史うんちく。

正直、並べて置かれると何方が何方か分からない。
中也は普段から銃よりナイフを使うからなおの事。

でも良いのだ。
流華が楽しそうにしている顔が見られれば満足なのだから。

ここ最近、中也はこの銃器保管庫に執務机を持ってきてやろうか、と本気で考えている。
重厚な執務机だって、重力を取り払えば、2階くらい階段で運んでしまえるだろう。

ただ、残念ながら中也は幹部だ。
極秘事項も扱う身分では、人と机を並べて仕事なんてご法度。
例え相手が最愛の流華であったとしても、許される事ではない。

名残り惜しいが、もう仕事に戻らないと不味い。

『お仕事、頑張ってください！』

暇乞いに、小さく敬礼する流華。

「手前ェもな」

返して、中也も小さく敬礼の真似事。

――嗚呼、やっぱり嫌だ。離れたくない。
同じ建物内で此れだけ辛いのなら、自分には屹度遠距離恋愛は向いていないのだろう。
そんな事を考えながら中也は鉛みたいに重たい脚を引き摺って歩き出す。

その背中に。

『後でまた電子手紙を送りますね！』

流華がほわ、と笑って声をかける。
一気に、やる気が湧いてきた。脚も軽い。

「また、後でな」

自然緩む頬を隠すこともせず中也は部屋を出て行った。

彼の姿が見えなくなった途端、流華は早速電子手紙を打ち込み出す。



楽しそうな流華の後ろ。
今まで幹部に不敬が無いよう畏まっていた部下たちが一成に爆発しろ！と心中で叫んでいた事など、莫迦っぷるが知る由もない。

――――

リクエストを頂きました。
青紫様誠にありがとうございます！
このようなモノでよろしかったでしょうか？
可能であれば感想をお願いいたします。

2017年2月25日ちょこ

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