死にかけて幸せ ページ48
蝉が鳴く。
『暑いですね、中也先輩』
声をかけると嫌そうな顔で見られた。
暑いなんて聞いたら余計暑くなる、ということか。
それくらいは彼の眼で読めるようになった。
なんせ長患いの恋煩いだ。
最初は冷たい印象の、青い三白眼。
でも意外と表情豊かな彼は、口から出る悪態より目を見て居る方が分かりやすい。
つい先刻も。
路地で猫と戯れていたら
「阿保か。流華、仕事送れるぞ」
なんて云いながら存外優しい目をしていた。
可愛いもの、好きなのかもしれない。
新しい発見がいっぱいだ。
貴方を見て居ると、世界がキラキラしてとても美しい。
そう、まったく飽きない。
大好きです、中也先輩。
口に出すにはまだ勇気が足りない言葉。
それでも何回も黒くてちっちゃい背中に贈り続ける想いを今日も繰り返す。
※
『あ…』
痛い、というよりも熱かった。
撃たれた、と気づいたのは次の瞬間。
私の腹部からボタボタと血が流れだした。
「流華！？」
あ、中也先輩怒ってる。
「何やってンだ莫迦！！！」
その眼、心配してくれてる。
「死ぬんじゃねェぞ？まだ云いたい事があンだ。生きろ！」
其れって…
そこで私はふいに意識を手放した。
※
気付いたら、白い天井が見えた。
薬品の匂いで医務室だと気づく。
あまりに傷が痛いから、目だけで周りを見ると。
「おい」
かなりお怒りの彼がいた。
『中也先輩』
謝ろう、そう思った唇に湿った感触。
彼の顔が離れて理解する、触れるだけの口付け。
「今度こンな怪我したら承知しねェからな」
怒った口調なのに、青い目が泣きそうに揺れている。
此れって…
赤くなる私の前で、彼が期待通りの五文字を、紡いだ。
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ひよこリュナ(プロフ) - ちょこさん» hohohoほんとですか！！！ありがとうございます！！Ｂダッシュで見に行きます！！ (2016年7月17日 10時) (
レス) id: eef97769f4 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - ひよこリュナさん» リクエストありがとうございます！読んでいただけて嬉しいです！！先刻続編にアップさせて頂きましたのでご確認よろしくお願いいたします！！ (2016年7月17日 10時) (レス) id: be59381d22 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこリュナ(プロフ) - 叶わないの続きを見てみたいです！！ハッピー方面で！！ (2016年7月16日 23時) (レス) id: eef97769f4 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - アリスさん» リクエストありがとうございます！先刻アップさせていただきましたのでご確認ください ！！ ( (2016年7月11日 21時) (レス) id: be59381d22 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 麗さん» 御覧頂きありがとうございます！これからも書かせて頂きますので、またのリクエストお待ちしております！ (2016年7月11日 17時) (レス) id: be59381d22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちょこ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/novel/koro0311ko1/
作成日時：2016年6月14日 21時
