真夏の太陽【アリス様リクエスト:海などでナンパされる夢主様を救う中也】 ページ44
夏。炎天下。
車を飛ばして辿りついた海辺。
着替えるから、と恋人に車から追い出されて、中原中也は煙草を吹かす。
海に行きたい!なんて我儘くらいは別に構わないが、泳ぐとは聞いていなかった。
水着が無い旨を伝えると『途中で水着買おう!』なんて彼奴は云い出したが…
「流石に、泣く子も黙るマフィアの幹部が海パンで甲羅干しはねェよな」
紫煙とともに引きつった笑いを吐き出して、宥めた時の流華の顔を思い出す。
そんなことをして、いると、流華が車からひょっこり顔を出した。
黒いセパレートの水着に、花柄スカートを合わして恥ずかしそうに笑う。
『如何かな?』
「…良いじゃねェか」
不器用な感想に可愛い彼女は飛び跳ねて喜ぶ。
「なンか飲むモン買ってきてやるから、その辺で遊んでろ」
『わぁい、中也大好き!』
「そんな恰好で抱き着くな!」と叫んで半分逃げるように中也は足早に歩き出した。
※
彼奴の好きな紅茶と、自分のコーラ。
両手に持って彼奴を探す。
遠くには行っていないと思うが…見渡した瞬間。
鍛えられた耳が拾ったのは女の小さな悲鳴。
「流華…!」
思わず飲み物を放り出して駆け出す。
『止めてください!厭です、一人じゃありません!!』
『いいじゃん、お姉さん』
『俺らと遊ぼう!』
見るからに頭すっからかんの男二人。あれか、ナンパって奴か。
出しかけたナイフを一旦引っ込める。
一般人相手に凶器は不味い。
だが、しかし。
砂を蹴って、思い切り手前の男のこめかみに踵を叩きこむ。
「俺の女に手ェ出す莫迦を放っておくほど、俺は優しかないンだよ」
吹っ飛んだ男の相棒らしき奴の喉が『ひっ』と鳴る。
『なんだよお前!!』
「頸動脈ざっくりヤられたくなきゃ失せろ」
殺気を押えもせずに唸ると男達は逃げていった。
『中也!!』
もう半泣きの流華を着ていた外套で包んで頭を撫でてやる。
「悪かッたな、一人にして」
彼女の頭が左右に揺れる。
『助けてくれた、中也…恰好良かった』
笑った彼女。その顔が可愛い。あんな莫迦まで呼ぶくらい。
嗚呼、首をもたげた此れは…独占欲。
「如何する?泳ぐか…此れから何処かの宿で休憩でもするか?」
甘く、耳孔に直接吹き込んだ毒が彼女に回るまで、そう時間はかからない。
――――
リクエストを頂きました。
アリス様誠にありがとうございます!
このようなモノでよろしかったでしょうか?
可能であれば感想をお願いいたします。
2016年7月11日ちょこ
たからもの →←寂しかったを、埋める【麗様リクエスト:股ドン】
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ひよこリュナ(プロフ) - ちょこさん» hohohoほんとですか!!!ありがとうございます!!Bダッシュで見に行きます!! (2016年7月17日 10時) (レス) id: eef97769f4 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - ひよこリュナさん» リクエストありがとうございます!読んでいただけて嬉しいです!!先刻続編にアップさせて頂きましたのでご確認よろしくお願いいたします!! (2016年7月17日 10時) (レス) id: be59381d22 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこリュナ(プロフ) - 叶わないの続きを見てみたいです!!ハッピー方面で!! (2016年7月16日 23時) (レス) id: eef97769f4 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - アリスさん» リクエストありがとうございます!先刻アップさせていただきましたのでご確認ください !! ( (2016年7月11日 21時) (レス) id: be59381d22 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 麗さん» 御覧頂きありがとうございます!これからも書かせて頂きますので、またのリクエストお待ちしております! (2016年7月11日 17時) (レス) id: be59381d22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょこ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/koro0311ko1/
作成日時:2016年6月14日 21時