貴方と出会って花になるーぼだいじゅー ページ39
中也と流華は物心付く頃には、ずっと一緒だった。
手を繋いで遊んだし、喧嘩もしたし、一緒に殺しの訓練もした。
『わたし、いつかちゅーやのおよめさんになる！』
「お、おう…」
流華は幼い告白に真っ赤になってしまう中也が本当に好きだった。
そして、二人とも成人した歳に、立派な青年になった中也は云った。
「おい、手前ェ、まだ俺の嫁に来る気あンのか？」
『もちろん』
そう答えたら口づけられた。
いつでも一緒だった二人はこうして、晴れて夫婦となったのだ。
あれからもう何年、何十年が経った。
『中也中也！！』
「あンだよ！」
子宝に恵まれなかったせいもあるが、お互い相も変わらずずっと一緒にいる。
『幸せな老後だねぇ』
皺だらけの手を繋ぎ合うと、彼は照れたように目線を逸らす。
『此のまま、いつまでも一緒にいれたら良いのにね』
例えば何百年と生きる庭の木々のように。
「確かに、人の一生って奴は短いな」
彼も窓越しに、青々とした葉を見て居る。
『せめて一緒に死ねたら良いのにね』
「だな」
二人、ソファに腰かけたまま笑う。
けれど老いは死の匂いを引きつれてやってくる。
神なんて信じていない。
それでも祈った。どうか永遠に寄り添わせてほしいと。
※
ある日。食材の配達にきた若者は、そこにいたはずの老夫婦がいなくなっていることに気付いた。
つい先ほどまで庭で寛いでいたのか、ガーデンテーブルには揃いのマグカップが乗っている。老人が吸っていた煙草も、まだ吸い口が湿っている。
老婦人が編んでいたらしいレースは芝生の上に落ちていた。
そして、消えた二人の代わりのように、幼い樹が寄り添って庭に芽吹いていた。
ああ。屹度これから長い年月をあの二人はこの樹として生きるのだろう。
そう直感した青年はその幼木に水を遣った。
その花の名前は≪菩提樹≫、花言葉は≪夫婦愛≫。
【「流華、此れからも傍にいるからな」『よろしくお願いしますね』】
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ひよこリュナ(プロフ) - ちょこさん» hohohoほんとですか！！！ありがとうございます！！Ｂダッシュで見に行きます！！ (2016年7月17日 10時) (
レス) id: eef97769f4 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - ひよこリュナさん» リクエストありがとうございます！読んでいただけて嬉しいです！！先刻続編にアップさせて頂きましたのでご確認よろしくお願いいたします！！ (2016年7月17日 10時) (レス) id: be59381d22 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこリュナ(プロフ) - 叶わないの続きを見てみたいです！！ハッピー方面で！！ (2016年7月16日 23時) (レス) id: eef97769f4 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - アリスさん» リクエストありがとうございます！先刻アップさせていただきましたのでご確認ください ！！ ( (2016年7月11日 21時) (レス) id: be59381d22 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 麗さん» 御覧頂きありがとうございます！これからも書かせて頂きますので、またのリクエストお待ちしております！ (2016年7月11日 17時) (レス) id: be59381d22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちょこ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/novel/koro0311ko1/
作成日時：2016年6月14日 21時
