飼育欲求 ページ20
中也×捕虜です
色々歪んでおりますので閲覧の際はご注意を
※
カビ臭さと鉄錆びめいた血の臭い、それに腐臭。
それらが混ざって生み出す臭気が地下室の湿気た空気を形成して生む、絶妙な不快感。
その中にあって、戦意を失わない、強い瞳。
俺の中に沸いた、恋と呼ぶには余りに歪な感情。
名付けるのなら、それは飼育欲求。
※
此処に繋がれて何日が経っただろう。
僅かに自由な指先だけを動かして、自分が生きていると確認する。
後手に縛られている。手錠の材質は恐らく太い革と長さ1寸(3.3cm)前後の鎖。
その短な鎖に、フックを掛けられたまま吊るされている。
体を前に倒していなければ脚が地から浮いて肩が外れる。徐々に体力を削る拷問。
そんな私を眺めて優雅にワインなんて嗜んでいる男。
洒落た帽子に、青い瞳、淡い茶色の髪。
間違い無い。潜入前に見た資料にあった。ポートマフィア幹部、中原中也。
「良い眺めだなァ。青鯖の繋がれた顔も良かったが、女の方が見苦しくなくていい」
舐めるような、とはこういう目を云うのだろうか。好色な訳ではない。それより性質の悪い、見下したような、見透かしたような眼。
対する私はといえば、睨み、無言を貫くしか術がない。
…組織を裏切れば、殺される。
…ここで沈黙を貫いても殺される。
ならば、無言のまま死んでやる。
「なァいい加減喋れよ、流華」
ふいに呼ばれた名に背筋が凍りついた。
私はここにきて、口を割っていないのに。
どうして―――
混乱していると、急に私を支えていた鎖が緩み、混凝土(コンクリート)の床に叩きつけられる。
痛みを感じる前に絶望が眼前に転がってきた。
血塗れでも、見間違えるはずの無い、私の主の指輪だった。
※
名を呼んだ時の揺らぎ。指輪を見た時の絶望。それすら此奴の瞳は美しかった。
「なんなら、見せてやってもいいぜ」
死体も、手前ェの家だった瓦礫も。ばら撒いた写真の上に、一粒涙が弾ける。
『…私も、殺すの?』
「さァ…吊るして飾ってやろうか」
俺の言葉に激しく首を横に振る。心の拠り所を亡くした女の陥落は近い。
「なら、手前ェのご主人様に挨拶しな」
強い瞳が揺れ、絶望を噛みしめる。
『…私は流華…』
訥々と紡がれた陥落の声に感じる、全身が泡立つほど悦楽。
ああ、此奴には屹度紅が似合う。今度買ってきて付けてやろう。
中也は内心小さく笑って、手に入れた流華を抱きしめた。
彼女の耳は・・・【赤い桜模様の猫様リクエスト:夢主様に生えたケモ耳を愛でる中也】→←その唇【真衣様リクエスト:激激激甘】
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ひよこリュナ(プロフ) - ちょこさん» hohohoほんとですか!!!ありがとうございます!!Bダッシュで見に行きます!! (2016年7月17日 10時) (レス) id: eef97769f4 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - ひよこリュナさん» リクエストありがとうございます!読んでいただけて嬉しいです!!先刻続編にアップさせて頂きましたのでご確認よろしくお願いいたします!! (2016年7月17日 10時) (レス) id: be59381d22 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこリュナ(プロフ) - 叶わないの続きを見てみたいです!!ハッピー方面で!! (2016年7月16日 23時) (レス) id: eef97769f4 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - アリスさん» リクエストありがとうございます!先刻アップさせていただきましたのでご確認ください !! ( (2016年7月11日 21時) (レス) id: be59381d22 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 麗さん» 御覧頂きありがとうございます!これからも書かせて頂きますので、またのリクエストお待ちしております! (2016年7月11日 17時) (レス) id: be59381d22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょこ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/koro0311ko1/
作成日時:2016年6月14日 21時