溺れる ページ14
かなり濃厚なキスシーンです。
苦手な方はご注意ください。
※
唇を合わせる。
最初は啄むように。お互いの真意を探るように。熱をうつし合うように。
そのうち彼の黒い手袋をした手が、頭に回されて遠慮がちに唇を舐められる。
素直に唇を開くと、それが≪夜≫の始まりの合図。
普段は喧嘩っ早くて、乱暴なところもある人だけど…中也は優しい。
口に出して問われたことは無いけれど、私が口づけの時僅かでも躊躇えばそっと、身を引いて、そして、何も悪くないと宥めるように頭を撫でてくれる。
そんな、甘い時間が私は好き。ずっと彼に甘えていたい。
でもそれより、もっと好きなの。
真夏のチョコレヰトみたいにどろどろに溶かされる時間が。
唇を開く私に、彼は一寸驚いたような嬉しそうな顔をして、するり、舌を潜り込ませてくる。
その性急さに、逃げを打つ私の舌をいとも簡単に捕まえて、彼の眼は満足げに笑む。
絡ませる其れは、もう別の生き物みたいに彼と私の垣根を越えていく。
急に解けて、物寂しさに慌てて追えば、それは罠。彼の口内に誘われ柔く噛みつかれただけで脳が沸騰しそうになる。
息が上がれば、息が切れる。呼吸したい、と彼の胸を叩く。
離れた彼の唇は、何方の物かも分からぬ唾液で濡れ光って、綺麗。
酸欠で朦朧とする頭に、そんな思考が沸いた。
「流華…良い貌してんじゃねェか」
クツクツ、と彼の笑う声が耳に吹きかけられて、思わず『ひゃっ』と声が漏れる。
それさえ面白がるように中也は私の耳にねっとりと唇を這わせ、また深い口づけを求めてきた。
上顎を擽り、歯列をなぞり、舌と下顎の間まで隈なく舐められる。
確実に欲望に着火するその動き。
もう立っていることさえままならないほど、溶けた私を抱き上げて寝台へ運ぶ彼は何時もの中也より、各段に危険な男の顔をしていて…好き。
『中也、愛してる』
涙が出そうなくらい、愛しさが溢れだす。
「可愛いこと云ってくれるじゃねェか。今日は手加減できねェかもな」
云いながら、私の額に唇を落とす中也は、やっぱり優しい。
嗚呼、私は幸せ者だ。
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ひよこリュナ(プロフ) - ちょこさん» hohohoほんとですか!!!ありがとうございます!!Bダッシュで見に行きます!! (2016年7月17日 10時) (レス) id: eef97769f4 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - ひよこリュナさん» リクエストありがとうございます!読んでいただけて嬉しいです!!先刻続編にアップさせて頂きましたのでご確認よろしくお願いいたします!! (2016年7月17日 10時) (レス) id: be59381d22 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこリュナ(プロフ) - 叶わないの続きを見てみたいです!!ハッピー方面で!! (2016年7月16日 23時) (レス) id: eef97769f4 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - アリスさん» リクエストありがとうございます!先刻アップさせていただきましたのでご確認ください !! ( (2016年7月11日 21時) (レス) id: be59381d22 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 麗さん» 御覧頂きありがとうございます!これからも書かせて頂きますので、またのリクエストお待ちしております! (2016年7月11日 17時) (レス) id: be59381d22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょこ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/koro0311ko1/
作成日時:2016年6月14日 21時