花言葉は永遠の愛【矢印様リクエスト:夢主の死によるシリアス】 ページ11
死ネタです。
苦手な方はバックをお願いいたします
※
寂しい式だ。どうせこんな仕事だからそれは仕方ない。
俺はゆっくり、教会の床を踏みしめる。
祭壇で待つ彼奴は、花嫁衣装がよく似合う。本当に綺麗だ。
でもよォ。普通、祭壇で待つのは男のほうだろ?
ったく。どこまで型破りなんでよ、手前ェは。
俺はゆっくり進む。左手に花束をぶら下げたまま。
気付けば、祭壇は目の前だった。
流華は眠っていた。細長い箱の中で目を閉じて。もう二度と覚めない眠りの中にいた。
※
あの日。
俺とは別の任務に行って此奴は帰ってこなかった。
『流華さんが、任務中被弾し…亡くなりました』
無機質な電話が、流華の死を俺に知らせた。
その瞬間、全ての音が消えた。携帯を取り落として、俺は何も言えなかった。
ただ、幻想のように思い出が立ち昇る。
『中也!』
いつも、俺を呼ぶときは甘えた猫みたいな声だった。
『…大好き』
照れ屋で、今更なことを言うのにも耳まで赤くなる。
『中也…あり、がとう…!』
俺の不器用な求婚に泣き出したり笑いだしたり忙しなかった。
『幸せだなぁ』
左手薬指の指輪を光に翳(かざ)して浮かべた満面の笑顔。
――全部、俺の前から、消えたんだ。
現実がふいに実感に変わった瞬間。俺は声にもならないような叫びをあげた。
※
普通マフィアなんて立派な葬式はあげない。
そんなことにいちいち時間を取れる程暇じゃねェ。
それでも、俺は首領に頼み込んで、流華の葬式をこの教会で挙げる許可を貰った。
彼奴が生きている時、二人で決めた…結婚式場になるはずの場所だったから。
遺体には、エンバーミングもした。生前と変わらない姿で送って遣りたかった。流華が気に入っていた花嫁衣裳も着せてやった。生きてるみたいに綺麗で、胸が痛かった。
胸元で組んだ白い手には、俺が贈った婚約指輪。これをしたまま此奴は死んだ。
そんなことを考えるとまた叫びだしそうで、左手に持ったままだった霞草と赤い薔薇の花束をそっとその上に乗せた。
「愛してるぜ、流華」
もう触れられるのも此れで最期だ。
屈んで口付けた唇は、どこまでも冷たく…死の臭いがした。
――――
リクエストを頂きました。
矢印様誠にありがとうございます!
このようなモノでよろしかったでしょうか?
可能であれば感想をお願いいたします。
2016年6月26日ちょこ
生存確認と愛情表現→←書類と元相棒と恋人同士【佐久間楓様リク:ツンデレ中也、太宰に嫉妬してデレる】
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ひよこリュナ(プロフ) - ちょこさん» hohohoほんとですか!!!ありがとうございます!!Bダッシュで見に行きます!! (2016年7月17日 10時) (レス) id: eef97769f4 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - ひよこリュナさん» リクエストありがとうございます!読んでいただけて嬉しいです!!先刻続編にアップさせて頂きましたのでご確認よろしくお願いいたします!! (2016年7月17日 10時) (レス) id: be59381d22 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこリュナ(プロフ) - 叶わないの続きを見てみたいです!!ハッピー方面で!! (2016年7月16日 23時) (レス) id: eef97769f4 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - アリスさん» リクエストありがとうございます!先刻アップさせていただきましたのでご確認ください !! ( (2016年7月11日 21時) (レス) id: be59381d22 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 麗さん» 御覧頂きありがとうございます!これからも書かせて頂きますので、またのリクエストお待ちしております! (2016年7月11日 17時) (レス) id: be59381d22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょこ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/koro0311ko1/
作成日時:2016年6月14日 21時