いち ページ2
鬱先生視点
そういえばロボロに教科書借りてたなぁ、返さんとなぁ。
そんなことを思いながら自分のクラスに入る。
…クーラー効きすぎやろ、これ。
僕の席を見るとシッマが座っていた。
後ろの席のAちゃんとスマホで何かをしている。
「シッマ〜。何してるん？」
「ちょ、だ、大先生待っててな！？」
何かで対戦しているのか、2人とも慌ただしく手が動いている。
邪魔にならない程度で中を覗いて見るとシッマは女の子と連絡を取っていた。
嘘やろ。俺やって彼女の目の前で他の女と連絡取ったりせぇへんで。
「し、しっま？」
「勝った！」
話を聞こうとした俺の声を遮ったのはAちゃん。
見て、と言って見せてきたのはシッマと連絡を取っていた女の子とのやり取り。
1番最後のメッセージは、女の子からの「大好き」の文字。
「…何がどうなってんの？」
「あー、大先生。俺が説明するわ。俺らようある広告のブラウザゲームやっててん。」
なんでも、攻略対象みたいなものを決めて連絡を取り合い、先に惚れさせた方の勝ちらしい。
なんやそのゲーム。だったらギャルゲーやった方が早いやろ。
「…いや、え、シッマお前彼女の目の前でそういうことやる男やったんか？」
「え？」
「だって2人付き合っとぉやろ？言い出しっぺがどっちでもさすがにそれは…。」
顔を見合わせて首を傾げる2人。
息ぴったりか。
「俺ら付き合っとったっけ…？」
「記憶にない。」
「は？」
思わず素のは？が飛び出した。
俺の「は？」を聞いてうんうんと腕を組んで唸りながら何かを考えるシッマ。
「ｽｩｰｯ…。いや俺ら付き合ってないで。」
「は〜？？？」
あんだけセコムしといてよぉ言う！
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