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「もっと、近くで踊ってほしい。」
ずっと思ってたいたそれを伝えると首を横に振られる。
こっちはお前がどう踊るか分からへんから近付けないのに！
会って2週間の仲じゃあかんのか？
「なんで。」
「無理に決まってるでしょう？」
俺が臭いとでも言うんか。俺まだ学生やぞ。
汗だってかいとらん、変なもんも食ってへん。
「…来い言うとるやんけ。」
ぐいっ、と彼女の両腕を掴んで俺の方へと引っ張る。
「えっ、なんで、触れ…！」
入院中の彼女は動けはするけど力は弱い。
引っ張るのなんて容易に決まっている。
「やだ、やだっ！！」
「だからなんでって言うとるやろが！」
もっと力を込めて引っ張ると、彼女は空に浮かんだ。
「や、やだ。や、だ、よぉ…。やだ、」
「うっさい女やのぉ。ほら、踊ってや。」
パッと手を離すと彼女の姿はなくなった。
あれ、あいつどこ行ったんや。
「おーい。」
刹那、ぐちゃっというような音と悲鳴が下の方から聞こえた。
……あ、そういえばここ
「屋上やった…。」
じゃあ、俺はあいつを殺したっちゅうことになるんか？
俺はただ近くで見たかっただけなのに、捕まりたくな…
…あれ、そもそも、なんで俺は宙に浮いとるんや？
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