夏までに青春するって言ったけどできなかったから冬までに延長する。

36 ページ36

.









でも、Aは俺のことなんて１つも好きじゃなかった。


最初は俺の耳にも届いてたよ？俺のことが好きかもしれない、なんて話。




本当だったらいいなって思ったけど


樹と話す姿を見て確信した。



あー俺ってやっぱり邪魔者かもしれないなーって。




勘違いは程々にしろって思ったけど、そのままそう思い込んでくれた方が俺的にはすごい良かった。






勢いで付き合ったりできるかもなんて


果てし無く馬鹿な考えだって浮かんでた。







『じゃあ樹が他の誰かと付き合ってもいいんだ。』






屋上で、
初めてまともに話した時に放った言葉。



この声には、俺の希望も込められていた。




お願いだから、樹のことはそういう目で見てないよって言って欲しかった。

だけど、君は


切なそうな目で、ウルウルさせるだけだった。




なんでそんな泣きそうな顔すんの？


俺じゃ駄目なの？







『だーかーらー、俺はAが好きなの！』









背中を押してあげたいけど、無理だった俺には、








こんな結果、もう分かりきっていたことかもしれない。









.

37→←35 京本くんの憂鬱

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す