八話 戦死は意味になりますか ページ8
視点：とある味方最大の脅威
脳が、溶けていくような気がした。どこか、遠い国のお話のような気がした。もう、どうすればいいのかわからなくなっていた。
東国は西国の表向きの平和と違い、表向きにも完全に戦争状態そのものだ。駆り出される若い兵隊。食べ物を求め彷徨う人々。親がいなくなってしまい、一人ぼっちになってしまった子供。重労働を命じられるお年寄り。
活気溢れる東国は、一ヶ月で地獄と化した。
それは一体、誰のせいなのだろう。誰かが争いを望んだから？いや、そんな理由で戦争が起きてたまるものか。
「確か…俺はこの王に拾われて…で、
「何を言っているんだ！サッサと殺れ！」
「あ、そっか。俺がこんなやつに少しでも希望があるって思ったから間違えたんやな」
俺は確かに戦争が好きだ。正確には戦うことが好きだ。
だから、殺しても意味がない時は殺らないし、強い敵と会うと興奮する。
Q この女性を殺す理由は？
「え？」
女性の驚いた声が聞こえた気がした。それはどんどん悲鳴へと変わっていき、騒ぎを聞きつけた兵士たちが、たちまち俺を囲んでいた。
気づけば、両手も服も真っ赤だった。自分が何をしたのかさえ、よくわからなかった。右手に握られていたのは使い慣れたナイフで、左手は──
「動くな！！」
兵士たちが一斉に槍を向ける。そこでようやく気がついた。
左手には、あの気持ち悪いクソ王の首があった。
「あ、殺ってもうた」
クソ王の首を投げつける。あんな気持ち悪いの持ちたくない。すっかり汚れた手袋は、手の感覚が血でネチョネチョになってしまったので外した。
どうやら俺は、あのクソ野郎を殺してしまったらしい。
密かに、東国の王家は兵士の反抗によって滅びたのだった。
「これからどうするんやろ。まぁトントン辺りに任せとけば大丈夫やんな」
他人事みたいに言うな！！とツッコミが聞こえた気がする。
そもそも、このクソ王は誰から見てもクソだった。兵士達が完全に王が死んだことを把握すると、持っていた槍を放り投げた。「解放されたぞ！」なんて喜んでいるぐらいだ。死んだクソ野郎に忠誠を誓うなんてバカはどこにもいなかったらしい。兵士はそのまま去っていってしまった。
A クソ王の方が死ぬべきだ。
アンサーになってへんな。
九話 戦乱内の作戦会議もどき→←七話 戦闘民族Ｚは殺りました
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コランダムA(プロフ) - 応援ありがとうございます！投稿頻度は今まで以上に遅くなってしまうでしょうが、首を長くしてお待ち下さい。本当に応援ありがとうございます！ (2022年8月22日 17時) (
レス) id: a136d829dc (このIDを非表示/違反報告)
ぬくどく(プロフ) - 毎回面白いお話ありがとうございます！！いつも更新されるのを楽しみにしてます🙌💕これからもリアル優先で更新していただければ幸いです…！！応援してます…！！ (2022年8月22日 17時) (レス) @page17 id: e4ec8d6017 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コランダムA | 作成日時：2022年5月4日 1時
