七話 戦闘民族Ｚは殺りました ページ7
視点：とある味方最大の脅威
「え？」
「シャオロンは一般人や」
「リピートせんでええわ」
「てっきりロボロが軍人やったから、あいつもかと…」
「性格は向いてるし、なんなら一回目の戦闘んとき生還したしな。実力はあるやろなぁ。うん」
「じゃあもう…俺がシャオロンに会いに来たって言ったときには…」
「偽物やろなぁ、って思ってたよ」
「…じゃあなんであんなカマかけしたん？」
「面白そうやったからに決まっとるやろ？」
ニィ、という効果音が聞こえた気がした。顔に変な文字が貼られているせいで顔が見えないものの、今こいつがムカつく顔で笑っていることは察せられる。
「これからどうする気なん？」
ポツリ、と言うつもりのなかった言葉が出た。喋った俺も驚いたし、ロボロも驚いていた。
「殺さんの？」
「は？」
「は？っておま…敵やで？」
「俺あんな王好きやないし〜？」
「アホか」
その後は、まるで身内のように会話が弾んだ。まだ少し揺れているけれどほとんど収まりかけていて、しばらく経てば雨が降ってきた。
急いで避難して、王宮を見やる。ガレキとなった、あんなに立派だった王宮は、地震という自然現象に破れた。もう生き残りはいないだろう。潰された死体から目をそらす。
「お前が殺さへんのやったら…適当に外でも見て歩こかな」
「旅に出るってこと？」
「はぇ〜…見逃すんやな」
そう言うと、ロボロはゆっくり立ち上がって俺を見る。雨はさらに勢いを増し大きな音が辺りを
「じゃあまたな」
それだけを残して、大雨の中を走り去っていった。もう背中は見えない。
敵で、同じ軍人で、同じく愛国心がなく、戦うことでしか自分の価値がなかった人間。
「同類、やな」
つぶやいた言葉は、雨によって打ち消された。
ロボロとの戦闘を経て、俺は真っ直ぐに自国(東国)へと帰ってきた。そこでザ・コヤローウ十五世を撃破？したウマを伝えると、ク・ソヤローウは嬉しそうに汚い笑みを浮かべる。
「そうか、そうか。よくやったぞ。これで我が国は一歩優位に立った。次は──」
「もうやめてください！！」
突然、乾いた女性の叫び声が聞こえた。その声は、悲痛の声だった。
「もう…いいじゃないですか。私達はもうこれ以上、戦えません…！農民も、みんな兵士に回したせいで、満足にご飯が食べられないんです」
「ゾム」
冷徹な声を発したクソ王は、俺に一つ命令を下した。
「殺せ。邪魔だ」
と。
八話 戦死は意味になりますか→←六話 戦隊モノのヒーロー参上
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コランダムA(プロフ) - 応援ありがとうございます！投稿頻度は今まで以上に遅くなってしまうでしょうが、首を長くしてお待ち下さい。本当に応援ありがとうございます！ (2022年8月22日 17時) (
レス) id: a136d829dc (このIDを非表示/違反報告)
ぬくどく(プロフ) - 毎回面白いお話ありがとうございます！！いつも更新されるのを楽しみにしてます🙌💕これからもリアル優先で更新していただければ幸いです…！！応援してます…！！ (2022年8月22日 17時) (レス) @page17 id: e4ec8d6017 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コランダムA | 作成日時：2022年5月4日 1時
