二話 戦場の脅威は英雄なのか ページ2
視点：とある味方最大の脅威
「おいゾムぅー、お前、なんかやれやぁ、持ちネタの一つやふたつ…」
バタン。グー。ガシャン。
酒は飲んでも呑まれるな。未成年でも知っとるわ。ツッコミながら、寝落ちた男──シャオロンを見やる。右手のジョッキは泡を出したままこぼれ出て、机と、机に乗っていたシャオロンの右腕を濡らした。
…介抱せぇへんぞ。残り半分のグイッとヤケクソでハイボールを一気飲みした。
東軍VS西軍。名付けて東西戦争は、ほとんど一ヶ月ぶっ通しで行われた。お互い、人口の多い国であり、お互い、何やら裏で他の国と貿易していたりなど、グレーゾーンの隠し合いから始まり、しびれを切らした東国(面倒くさくなったとも言える)が、西国にミサイルを打ち込んだところから激化した。
いや、何やっとんねん。完全に俺ら悪もんやんけ。
東軍に所属している以上、戦争となれば駆り出されるのは当然のことなのだが、馬鹿過ぎやしないか。勝手にやっとけ、なんて通じるわけもなく。
それに、俺は少々特殊な部隊の隊長で、その特殊な部隊というのが“工作員”であることが余計に俺を多忙にした。
なにせここは、“西国”である。つまり、現在進行形で俺こと、ゾムはスパイ活動中なのだ。
「やー、すまんな。シャオロンのやつ、全然飲めへんくせに、見栄張ってすぐにぶっ倒れんねん」
「せやろな。なんとなく、そんな気ぃしたわ」
「…にしてもあんさん、見ぃへん顔やな」
「え“っ」
「まぁええわ。ゾムやっけ？金はこっち持ちでええからそろそろ帰りや。…今は戦争中やからな。いきなりミサイルぶっこんできた相手やし、何あってもおかしくあらへん」
「メッチャ分かる(まじで狂っとるよな東国)」
俺、あんまし今の王好きやないしな。なんやったっけ？ク・ソヤローウ十七世やっけ？忘れたわ。
そんなことはさておき、何とか西国に入国した俺は変装した服装で適当に町中をぶらついていた。東国と違い、表向きは平和なこの国の人々の顔は笑顔で溢れている。まぁ、実際は少々灰色のラインをウロウロしていて、そんなこんなでぶつかってしまったわけなのだが。
そして、事前にトントンから教えてもらった情報(戦争前に観光で来たらしい)で首都圏へとやってきて、シャオロンと名乗る酔っぱらいに絡まれて、そして同じく無理矢理連れてこられたという、ロボロと言う男と三人でジョッキを交わしていたところだった。
三話 戦火を燃やす好奇心へと→←一話 戦争好きのイカれた兵士
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コランダムA(プロフ) - 応援ありがとうございます！投稿頻度は今まで以上に遅くなってしまうでしょうが、首を長くしてお待ち下さい。本当に応援ありがとうございます！ (2022年8月22日 17時) (
レス) id: a136d829dc (このIDを非表示/違反報告)
ぬくどく(プロフ) - 毎回面白いお話ありがとうございます！！いつも更新されるのを楽しみにしてます🙌💕これからもリアル優先で更新していただければ幸いです…！！応援してます…！！ (2022年8月22日 17時) (レス) @page17 id: e4ec8d6017 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コランダムA | 作成日時：2022年5月4日 1時
