優しい同士。

▼２２岸side ページ22

岸side

連絡先を交換してからしばらく
日が経った。
最近の俺は
まぁ、舞台舞台舞台でとにかく忙しい！
だけど、演出自体は変わらないが
毎日違う公演を
ファンの方々に魅せることができて楽しい。

でも、自分から冴木ちゃんに
連絡するとか言っておきながらできていないのが
きになっていた。
ちょうど明後日が休演日でその日に
お礼ができたらなぁーと思っていたので
連絡をしてみることにした。


携帯を取り出し、
彼女のトーク画面を初めて開く。

いざ送るってなると
ドキドキしてうまく文字が打てない。
いや！なんで俺こんなに緊張してんだよ！
なんとなくわかるけどさ！！
と思いつつも文字が打てたので送信ボタンを押した。

(連絡するとか言っときながらだいぶ経ってしまってごめん！！)


すると１０分後くらいに、


((お疲れ様！！全然大丈夫だよ！
忙しそうだけど大丈夫？？))


と返っていたので


(お疲れ！余裕！俺さ文章打つの苦手でさ、
ちょっとさ、今電話してい？)

と、文を送ったら
OKというスタンプがかえって来たので
電話ボタンを押した。
プルルルル...


『もしもし！』


「もしもしっす！
久しぶりっす！急にごめん！」

と、久しぶりに電話越しで聞いた声に
動揺してぎこちない返しをしてしまう。


『っす！が多いね笑』


という彼女に
俺は無意識に意味のわからない事を言っていた。


「、、うっわぁー、冴木ちゃんだー笑」


『？？？笑
うん、冴木ですよ〜笑』


と、感動を噛み締めていたら
俺は肝心な事を言ってないじゃん！
と思い出し、


「久しぶりだったから
普通に会話を楽しんじゃってだわ笑
この間言ってたさ！俺ん家来てってやつなんだけど、俺、明後日が仕事休みでさ
もし冴木ちゃん忙しくなかったらその日に
お礼しよっかなーって感じなんだけどどうすか？」


と、平常心を保ってるつもりで
言ってるけど
内心メッッチャやばい。
心臓バクバク。


『ほんとねー笑
久々だもんね！
ちょっと待ってて！

、、、

うん！その日仕事あるけどなんとか夕方くらいには帰れそう！』


俺は、うっっしゃ
とガッツポーズをして、嬉しくなって
テンションが上がってしまう。

「ま！じ！で！？
じゃあさ、俺夕方くらいに家で待ってっからさ
ピンポンでもなんでもいいからさ
よろしく！！！」

「うん！了解！
楽しみにしてるね！」

"楽しみにしてるね"に俺は調子に乗って

「まじ、楽しみにさせっから！」

と、自分でハードルを上げる。

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