おかいものしたい 3 カンタカメラ ページ12
2ヵ月キログラム
「おかいものしたい 3」のサブカメ。
__ではそのように__
そう、わざと仰々しいセリフをAちゃんが言ってから、やはりと言うべきか、切る流れになってきた。
カ「おれ、喋らなくて声聞いとくだけでいいからさ、電話繋げといて欲しいんだけど」
スマホのインカメで、煽りの角度になった(※この角度めっちゃ新鮮)Aちゃんが戸惑ったように眉毛を八の字にする。
__えっいや、あの、ちょっと用事が、その__
カ「え、買い物あとなのに?今から?」
もう帰るんじゃないんだ。
ちょっと食い下がって、どこ行くん?とか何すんの?とかめーーっちゃ軽い感じで聞いてみたけど、あは、と下手な愛想笑いで誤魔化すAちゃん。頑なにどこへ行くのか言わない。
そんな言いたくないとこってどこ。
カ「まあ……女の子一人だしもう夜なんだから、気をつけてよ」
『ありがとうございます。今日はありがとうございました、失礼します』
カ「おつかれ」
ちょっとぶっきらぼうに、電話を切る。切るってか斬る。
なんだよ。こちとら電話めちゃくちゃ楽しみにしてて、編集がんばったのに、馬鹿みたいじゃん。
まだ20:00なんて遠いのに、半分以上の編集が終わった動画。
おれより優先しなきゃいけない理由ってなんだよ。職場の先輩だぞ。雇い主だぞ。総取締役なんだぞ!……違うか。
一人で豚のようにぶーぶー呟く。お猿さんだけど豚さん、つって。……つって。
背中を椅子に預けて、ん、待てよ、と腕を組む。
Aちゃんは大学生で、女の子だ。彼氏の1人くらいいても――。
・
P「電話、上手くいかなかったのかな」
キ「とみながさん、どうにかしてくださいよ」
ト「おれ怖くてなんも言えん、まんず行け」
ま「……カンタさん、飲んで忘れましょう」
何も言わず中指を立てたおれに、その日は誰も近寄らなかった。
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作者名:どすこい | 作成日時:2019年9月3日 11時