2ヵ月キログラム 1

O.A. 3 ページ21

しば｢カンストしたら何表示になるん？｣

虫｢普通にErrorとかなんじゃない？｣

てつ｢てかカンスト何kgなん？｣

虫｢これ140kgまでっぽい｣

トミ｢うちの体重計壊さないでねマジで｣

虫｢トミー乗って壊れんなら大丈夫でしょ｣

トミ｢ハッラタツゥ！｣

虫眼鏡さんが体重計をひっくり返し、表示を見たあと、てつやさんが試しに乗ったりしている。

トミ｢キイチィー！｣

富永さんは、キイチさんにサブチャンネルのカメラを回すように指示していた。


カン｢Aさ……Aちゃん、大丈夫？｣

寛太さんがこっそり私に聞いてくる。さっき振り回されたときから、頭がぐらぐらしているのが伝わってしまったのかもしれない。

『男の子をいっぱい産んだ、お母さんの気持ちです』

大丈夫です、とも言えたけど、寛太さんには率直な気持ちを言ってみた。他の人には笑われるような感想でも、

カン｢あ、ちょっとわかる｣

寛太さんは笑わずに受け止めてくれるのだ。

虫｢カンタ王子のお許しは出た？お姫さま｣

てつ｢イチャイチャせんでー｣

しば｢俺とAちゃん乗ったら100kg超えるかな〜｣

寛太さんが私からパッと距離をとり、照れ笑いをしながら前髪をくしゃくしゃっと乱す。

寛太さんの温もりがじわっと左腕の辺りに残っていて、ちょっと名残惜しい。

トミ｢Aちゃん、カメラ回すけど普通に出ていいから。カットする｣

カメラを構えたキイチさんが脱衣所の外にスタンバイして、体重計カンストチャレンジが始まった。

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