第431話 俺が悪い 1 ページ6
楓君と柊君と出会ってから、これまでおかしな事がいくつか体感した…という自覚はあった。
そして…その体感は、この合宿中で自覚した。
1日目…
楓君と柊君の部屋から見つけた、空木一家の写真と、俺と水樹と紅葉と楓の幼い頃の写真。
そこで俺は震えが止まらなくなり、頭が混乱し…それでも竹貫先生にリンゴを届ける事を優先した。
だけど、竹貫先生に写真の事を追及されて、俺は無性にイライラしてしまい酷い言葉を投げてしまった。
絶望した竹貫先生は俺を廊下へ追いやる。
そして、俺は廊下でひたすら待ち続けた。
……少しして、俺は応接室の扉を開け……その場でへたり込んでしまった。
竹貫先生は口…ではなく、喉から血を噴いて絶命していたから。
俺の言葉のせいで、先生は死んでしまった。
その夜
菫に酷い事を言った事を謝ろうとしたけれど、空木邸の記憶が戻りそうになっていた事と子供の声が頭の中で重なり、意識が保てなくなってしまった。
気付いたら菫は血濡れで倒れていた。
俺は、無意識の内に菫を殺した事に気付かずに、しゃがみ込んでしまった。
その後も、空木邸を歩くたびに俺の頭の中の記憶は刺激されていった。
3日目の朝の時
楓君の話で、俺の記憶喪失のきっかけがこの空木邸にあるという事…空木邸で死んだ子供が俺の親友であるという事を聞かされ、俺は更に頭が痛くなった。
加えて水樹が割った窓ガラスが、やけに脳内をかき回す様にぐるぐるとなって気持ち悪くなって
そして……
引き摺り出される様な、思い出したくない記憶
空木邸とリンクする、失くした記憶の場所
気持ちの悪い、あの子供の声
目の前に…あの事件が起きた直後に見た少年の顔と、柊君の顔
柊君の顔を思い出すと、嫌でもその日に起きた出来事をフラッシュバックしてしまい……
気付けば、俺は拒絶する様に、壊す様に、暴れる様に
柊君を、徹底的に痛めつけた。
だけど、我に返った瞬間………
目の前にいるボロボロになった柊君を見て……俺は………
(お前も、これで同じだな。
柊君を傷付けた事で、あの男と同じになれた。
あの男は、柊君を傷付け、紅葉を殺した。
お前は、柊君を勘違いで痛めつけ、紅葉が死ぬ要因を生んでしまった。
お前は、記憶だけじゃない。
罪からも逃げ続けた最低最悪な
――――――国分寺刹那と同類の…屑人間だったんだよ。)
俺は、悲鳴をあげた。
涙を流した。
そして
壊れる様に
俺は、意識を手放した。
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作者名:tsurara | 作成日時:2018年8月8日 21時