番外編 END１のアレ ３（終） ページ40
「椿部長！私の弟にこんな恐ろしい顔で近付かないで下さい!!」
「あら？どうして貴方が怒る必要があるの？たかが姉という身分の貴方に指図される覚えはないわよ」
「何なの、この鉄面皮女！」
「お黙りなさいこの泥棒猫！」
「おい桜、聞いてんのか!?何が悲しくて俺と日向がホ〇扱いされなきゃいけねぇんだよ！」
「え、俺……友達を……抱くの……？幸せなキスをして終了するの……？
あ、そうなんだ……俺、楓君を抱くんだね………楓君のお腹には俺の子供がいるんだね……」
「おぃぃいいい！日向が壊れてるぞー!?安心しろ！お前は友達を抱いたりなんかしないから！楓はそんなんじゃないからな！」
「……2人共、キャラ崩壊してるよ。確かに僕は抱かれないけどさ…」
楓が意味深な言葉を残して苦笑いを浮かべる。
「……柊先輩…男の人が好きなんですか？」
ずっと口を閉ざしていた杏が、言葉を発した。
「違うっつーの!!」
「じゃあ、じゃあこのキスシーンは何なんですか!?説明して下さい!!」
「そ、それは…！」
否定はしたものの、杏が納得出来る理由が見当たらない柊は口ごもる。
「ごめんね、杏ちゃん。それはネタバレになっちゃうから言う事は出来ないんだ…」
楓のその発言は、全然柊の助け舟になっていなかった。
むしろ火に油を注ぐ暴言でもあった。
「やっぱり…！2人は付き合ってるのね!!」
杏の言葉に楓は頬を赤く染め……
「ふふふ、そう感じるのならそう思ってもらって構わないよ」
「楓!!余計な事を言うなー!!」
事実上、柊との関係を(独断で)肯定したのである。
杏は大粒の涙を零し……
「やっぱり男の人が好きなんですねーッ!!」
杏は、その場から走り去った。
ふと、日向が楓の方に振り向き……
「楓君…」
「日向君？」
「……悪いけど！俺！いくら楓君が可愛くても抱けない！ゴメンね!!俺男らしくなれない!!
わあああああああん、待って杏――――!!」
日向も何故か泣きながら走り去った。
残されたのは……
未だに水樹を取り合っていがみ合う桜と椿と……
メンタルがボロボロになった顔色真っ青の柊と、優越感に浸り恍惚の笑みを浮かべる楓と……
途中から、一体何を見せつけられたのか理解出来ずに自主的に空気と化した…竹貫先生、西崎先生、菫の姿だった。
一番恐ろしいのは、ウィルスでもお化けでもなく人間であるという事を知った下記の3名は、そのまま放置して帰宅するのであった……
END「この後選択肢を選び直した」
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作者名：tsurara | 作成日時：2018年8月8日 21時
