番外編 END１のアレ １（第3者視点） ページ38
なんやかんやあって合宿が決まって当日を迎えた日の朝
「それじゃ、バスが来たから乗り込むぞ〜！」
皆がバスに乗り込もうとする中、桜が何故か不安な表情でバスを見つめている。
「どうかしたか？」
水樹がそっと桜に話しかける。
「あ、ううん…何でも。」
「やっぱ不安？」
「…うん。」
「どうする？今なら具合悪いって言って引き返せるけど。」
桜はその言葉に一瞬考えるも…一瞬だけ何かを決めた様に頷いた。
「桜、水樹、どうしたの？早くバスに乗ろうよ。」
「―――私、行かない。」
桜の発言に、一同がフリーズした。
「へ？」
状況を察知した菫はぽかんとした表情になり…
「お、お姉ちゃん？」
「どうしたの桜ちゃん、どうして急にそんな事……」
杏と椿も戸惑いを見せる。
集合時間に遅れずに到着してたった今バスが来たのに何を言い出すんだこの子は、と一同がそう思っただろう。
ところが桜は直感が鋭い。異様な程鋭い。
故に、桜は心の中にある「バスに乗らない」という選択肢を選んだ。
それだけの事だ。
では、どうしてか？
それは、次の桜の暴言レベルの発言で明かされる事になる―――
「だって……昔心中事件にあった屋敷に泊まり込みで行くなんて……死亡フラグビンビンに立ってるじゃない!!」
「し、死亡フラグ？」
「おかしいよ怪し過ぎるよ!!これ絶対何か起こるっしょ!?
きっと皆あの屋敷に閉じ込められて正体不明のウィルスか何かに感染して終いには殺人事件が起こったりなんかしたりするんだよ!!」
「何そのバイオゲームみたいなの」
「桜、そんなのある訳ないだろ！そんな感染とか、裏で何か研究が行われていたの？人から人に感染する何かがあの屋敷にあるって言うの？
第一もしそれが本当なら、俺達の中にその研究員の身内が潜んでいて、ひょっとしたら俺達の中に今も誰かがそのウィルスに感染してるって事になるでしょ！」
桜と日向の掛け合いに、楓と水樹が一瞬ギクッとした表情を浮かべたのを、柊は見逃さなかった。
「何を意味不明な事を言ってるんだ、栗栖野姉…お前もだ栗栖野兄」
「桜…もしかして疲れてるのか？それなら無理に行かなくても……」
先生2人が桜を宥めようとするが……
「ええ疲れてますよ！
原作ゲームのオープニングに加えこの駄作のNormal endを見てドッと疲れましたよ！」
桜のメタメタ発言は止まらなかった。
そして、桜はどこからか2枚の画像を取り出した。
…それが喜(悲)劇の始まりだった。
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作者名：tsurara | 作成日時：2018年8月8日 21時
