第440話 花の毒による死者 ページ15
「そうだね……これまでの花の毒の情報を元に、何か手掛かりを見つけよう」
「とはいえ、結構色んな事があったからな……何から話せばいいんだ……？」
「うーん……」
楓と水樹は腕を組んで考えている。
前向きに考えるのは良い事だが、あまりにも情報量が多過ぎる。
少しだけ、整理した方が良いかもしれないな……
「これまでに感染した奴ら全員について、一度まとめてみるのはどうだ？」
「そうだね……桜みたいに毒から生還した人もいる訳だしね」
「かなり特例過ぎるけどな……」
なら、まずは単純に花の毒に耐え切れなかった人物はいただろうか…？
と言っても思い当たる人物は1人しかいないが……水樹は知らないもんな……
と、思っていた時
「花の毒で死んだ奴って、実験体のマウスを除けば鈴川ぐらいじゃね？」
「しかいないよね、正直」
え？
「え…!?」
何で水樹が鈴川の事を!?
「あ、ごめん柊。実はさっき鈴川の事楓から聞いたんだよね。」
「……え、いや……お前何でそんな、それを聞いてもかなりドライなんだ…？
というか、キレてないか…？」
「あはは。柊、気にし過ぎだよ。鈴川は日向君の将来を潰そうとしたんだから、水樹君がブチギレて当然だと思うよ？僕も被害に合ったし。
転入直後から僕に纏わり付いて、僕の私物を盗んだり…後、誰もいない教室で僕の体育着の臭いを嗅いでて本当に気持ち悪かったよ……」
「え、アイツそんな事してたの!?」
「お陰でその体育着使えなくなっちゃったんだよねー…まだ真新しかったのに。あの後トングで掴んで焼却炉に入れたよ。で、買い替える羽目になって……本当迷惑にも程あるよ」
「気持ち悪っ！」
「け、けど……仮にも人の命……」
「柊、あの屑ジジイ教師(20代後半)は私利私欲の為にこれまで生徒達に酷い事をしてきたんだよ？」
「当然の報いだろ？」
「…」顔面蒼白
この2人は、本当に容赦ない……確かに鈴川は気持ち悪いけど…
鈴川の悪事は、人脈がある楓から色々と聞いている。
全て許せないと感じる程の内容だった。日向を退学に追い込もうと企んでいた事も……
(ちなみに俺は最初からアイツにガン無視されてたからノーダメージだった。)
そう考えると…鈴川って因果応報なのか…？
「…アイツは持病持ちだけど、病弱マウスと同じ様に病気は跡形もなく消えたんだろ？」
「うん、むしろ本当に持病だったんじゃないかってぐらいね。
多分『感染してしまえば、病弱とか健康体とか関係ない』んだろうね…」
第441話 生き返った感染者について→←第439話 最後の懸け（柊視点）
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作者名：tsurara | 作成日時：2018年8月8日 21時
