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目覚めると、夜だった。
時計の針はもう21時を回っていて、我に返る。
隣では、
正しい寝息と、綺麗な横顔。
｢…ばいばい、｣
服を身にまとい、
起こさないように部屋を出ようとしたのに。
(帰るん？)
ってそんな声。
｢…廉の事、好きだったよ、｣
言えなかった想い、
あの時の感情を。
(…オレの事、好きでいてよ、)
ベッドの中、
消え入りそうな声で彼はそう言った。
｢…勝手だね、｣
私が…どれだけって知らないで。
(…ごめん、けど、)
嫌だった、
もう、この部屋にいると
自分を見失いそうで。
だから、その続きを聞かずに私は、逃げた。
スマホを開けると、
優太からのメッセージ。
ごめんって、何度も心の中、謝って。
昼寝で寝過ぎちゃった
って、嘘を一つ。
ピロン、と鳴る音に、
バカだなぁ(笑) なんて表示。
会いたい、
こんな私じゃ会えない…
溢れ出そうな涙を必死で殺した。
その涙の理由は分からないまま。
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作者名：蕾夢 | 作成日時：2017年6月27日 17時
