Manager Tiger Ⅱ (ページ47)

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#２－１９　Kiete ページ47

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中村side

今日はオフだけど、事務所に行く用事が
あったから、だるい身体を動かして外に出た。

ら。

『海人っ』

嘘だろ、と頭を抱えたくなるような脱力感。

マンションの前にヤツがいた。

中「なに、お前。まじきしょい」

『海人がLINEブロックするからぁ』

駆け寄ってこようとするヤツに、
俺はセキュリティ抜群のマンションの中に戻った。

『ちょっ、海人！開けてよ！ねえ！』

バンバンとガラスを叩き、惨めだな～と
思いながらスマホを取り出す。

ぱぱっと数字をタップして、ヤツに画面を見せる。

中「つーほーするよ」

『なっ…なんで？！あたしのこと嫌いなの？』

中「うん、きらい」

そこに、何ともタイミングよくパトロール中
っぽいおまわりさんが通りかかって、
このはたから見たら異様な光景に駆け寄ってきた。

警察「ちょっと君、何してるの？」

『あ…ッ！』

警察「あっちょ、待ちなさい！」

謎にすばしっこいヤツにおまわりさんが
諦め、ドアを開けた俺のとこに戻ってくる。

警察「大丈夫ですか？いったいどういう…」

中「すいません、ありがとうございました。
あの、あんま大事にしたくないんで。あと、
もう警察の方には相談させてもらってるんで大丈夫です」

お礼を言って、一旦部屋に戻る。

大事にすると、いろーんな人に
迷惑かかっちゃうし、なにより。

中「…あ、もしもしサポさん？家の前にア
イツいてさあ。…うん、お願いしまーす。
せとちゃんにはバレてないよね？」

ここで騒ぎになると、
せとちゃんにバレてしまう。

サポさんたちに内緒にするよう頼んだときの
苦労を水の泡にしたくない。

サポさんたちは、絶対にせとちゃんにも
話すべきだって譲らなかった。

でも、俺らだって、俺らの昔の問題で
せとちゃんを困らせたくないし、
変にせとちゃんが動いてアイツに
目を付けられるのが一番いやだから。

このときの俺らは、
もっと用心深くいるべきだった。

警察の見回りだけで、せとちゃん以外の
スタッフへの情報共有だけで、身を固めて
行動するだけで、何の解決にもなってないことに
気づくべきだった。

早急に解決すべきだったと
しにたくなるほど後悔するのは、

もうすこし、先の話。

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