Manager Tiger Ⅱ (ページ5)

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ふ、とPCから目を離し、事務室の時計を見る。

あれから数時間が経っていたみたいで、
気づけば事務室には誰もいなくなっていた。

窓を見るとすっかり暗くなっていて、
集中が切れたせいか空腹が気になってきた。

「うう…お腹空いた頭いたい眠たい……」

頭痛もまだ残っているし、
ぼそっと独り言を呟き、
机に突っ伏す。

アルバム製作も詰めるところまで詰め、
最終チェックも終えたので、あとは
GOサインを発注先に出すだけ。

でも、まだやれることがある気がして、
１から資料を読み直していた。

明日の朝に発注先に連絡して、
映画製作陣との打ち合わせに備えて
調べものと資料作りも進めないといけない。

メンバーのみなさんは新しい仕事も
どんどん決まってきて、メンタルの方も
注意深くみないと。

やるべきことと、やりたいことの
すり合わせを頭の中で行っていると、
だんだんと睡魔が襲ってくる。

あれも、これも…とどんどん浮かんでくる
思考は、意識と共に眠りに吸い込まれていく。

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「んん……」

しまった、寝ちゃってた。

ふわっと浮上した意識とともに
目を開ける。

暖かいものに包まれて、視界は
最後の記憶と変わらない事務室だった。

中「おきた？」

「わ？！」

不意にかけられた声に驚いて振り返ると、
隣のデスクでスマホをいじっている
うみくんがいた。

「うみくん？なんでいるの？」

中「逆になんでAはここで寝てたの？」

今気づいたけれど、うみくん、
めっちゃ不機嫌だ。

眉間にはうすくシワが寄り、声も低く、
組まれた足はひっきりなしに揺れてる。

「仕事してたら寝ちゃってた」

素直に言うと、かなり大きめに
ため息を吐かれる。

中「マジで学ばないよね、頑張りすぎたら
身体壊すって俺以外もいっつも言ってんじゃん」

スマホをデスクに置き、
頬杖をついて叱られる。

でも、これは心配してくれているが故の
お説教であることは明らかなので、
もう素直に聞くしかない。

「はい……すみません……」

中「Aが俺らを大切にして
くれてるように、俺らもAを
大切にしたいの。ってかしてるの。
何で伝わってないの？わかるだろ普通」

「ごもっともです……」

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