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「あ、ココ気になってたんですよ」
中「ほんと？前にお兄ちゃんと
行って良かったから」
メニューを見てああでもないこうでもないと
言いながら料理を決め、美味しい夕ご飯を
楽しんだ後、頃合いを見てプレゼントを渡す。
「うみくん、１日早いけど、
誕生日おめでとう」
中「へ？え、ありがとう…
さっき買ったの？」
「ううん、前もって買ってて、
コインロッカーに置いてたの
さっき取ってきた」
中「は、イケメンかよ。
え〜嬉し。見ていい？」
「もちろん」
わたしが言うと、嬉しそうに頬を緩めながら
紙袋を開けるうみくん。
中「いつもの美容グッズと〜
…お、え、バケハだ！」
袋からバケハを取り出して
目を輝かせるうみくん。
「自信作です」
実は、カマネエさんたちにプレゼントの
相談をしたとき、バケハなら手作りできると
言われて、挑戦してみた。
もちろん、メンバー全員分と自分、
マネージャーさん達の分もある。
中「作ったの！？
店開けるよこれ。え、すご！」
黒地にメンバーカラーの緑のラインを
縦に入れ、内側には名前の刺繍も施してみた。
筆記体の刺繍、しぬほど難しかった。
「まじで頑張ったんで、使ってね？」
中「いや使う使う！
今被っちゃお。写真とってー」
バケハを被るうみくんにせがまれ、
その姿を写真に収める。
こんなに喜んでくれるなら頑張った甲斐が
あったなあ、とわたしも嬉しくなる。
中「めっちゃ嬉しい、ほんとありがと」
送った写真を眺めるうみくんは、
スマホから目を離してこちらを見る。
中「…おれね、Aが大好きだよ」
「わたしも大好きだよ、うみくん」
わがままで、笑い声がうるさいけど、
客観的にグループを見ることが出来る
アイデアマンな、愛されペットタイガー。
感謝を込めてそう言うと、はあ、と
大きなため息を吐かれる。
中「ほんとそういうところ」
「え？なに、」
中「なんでもなーいー。はい行くよ」
席を立ったうみくんに慌てて荷物を持って
立ち上がると、わたしの上着を持って着せてくれた。
ジェントルマンなうみくんに呆然と
していると、手を引いて店の外に
連れて行かれそうになり、あわてて
「お会計あるよ！」と言うと、
中「そんなのもう済んでるんだなあ」
にやり、と笑ったうみくんに、本当に
今日はうみくんの意外な良い所を
見せつけられている、と言い表せない
焦りが募った。
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作者名：エキゾチック幸助 | 作成日時：2022年1月14日 22時
