・ ページ13
.
ずっとわたしの荷物を持っててくれた
しめさんにお礼を言ったら、にこっと
微笑んでそんなことを言われて、
一瞬固まってしまう。
小説にこんなセリフあったっけ。
七「A〜?」
「ッ、あ、ごめんびっくりしちゃって。こういうの慣れてないから、」
七「……俺だって内心ドキドキだから」
「え…?」
車に乗って、お互いシートベルトを締め、
すっかり真っ暗になった外は
電飾やお店の灯りで眩しい。
七「…ふふ、意味わかんないって顔してるよ」
いたずらっぽく笑ったしめさんに、
ばくばくと心臓がうるさくて
膝に置いたハンドバッグをぎゅっと抱きしめた。
「、ずるい」
七「俺なんかよりAの方が
よっぽどずるいけどね」
「え、なんで?」
七「だって、みんなAのこと
好きになっちゃうじゃん。
男だらけのトコにいるんだから、
無防備でいちゃ危ないよ」
ゆっくりと、しめちゃんのペースで
紡がれた言葉は、わたしにとって
ちょっと難しいものだった。
「…と、いうのは?」
七「というのは〜……ん〜なんだろ」
運転しながら考え出すしめさんを見ると、
やっぱり今日はしめちゃんというより
龍也さんだなあ、なんてのんきに考える。
「………そうやって、可愛い笑顔で
人を見つめるとことか」
ぱっと目が合った彼に
言われて、びっくりする。
「え、」
七「はーい着いた。降りよ!」
車を停めたしめちゃんに
前を見ると、そこは。
「ッわ、綺麗…!」
一面の夜景だった。
車を降りると、冷たい風が肌をさすのも
気にならないくらいに綺麗な光景が広がってた。
こんなに綺麗な夜景を観るのは始めてかも、
と感動していたところに、ふわふわとした
ものがわたしのほっぺを包んだ。
「、しめちゃん?」
七「風冷たいね」
ふわふわの手袋をはめたしめさんが、
後ろから腕を回し、わたしのほっぺに
手を当てて温めてくれたみたい。
なんて可愛いことをするんだ、と思うと、
この感じをどこかで見たことがある気がして考える。
「………あ、クマオくんだ」
七「あ、正解。やってみようと思って」
映画の主人公・クマオくんが、
お話の中で同じことをヒロインにも
していたのを思い出した。
実際にされるとこんな感じなんだ、
とくすぐったくなってくる。
七「どう?」
「なんか、嬉しい?可愛いなあって
思うし、ドキっともする」
.
660人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「TravisJapan」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
エキゾチック幸助(プロフ) - なちょさん» コメントありがとうございます!リアルに書けているのなら良かったです☺️今後も頑張りますのでどうぞ最後までお付き合いよろしくお願いします! (2021年11月26日 17時) (レス) id: c19b7f2284 (このIDを非表示/違反報告)
エキゾチック幸助(プロフ) - 香さん» って香さんですね!?わーー!!自分の作品にコメントくださるなんて!嬉しいです!めちゃくちゃ推してる作者さんに褒められるなんて嬉しすぎます……!!重ねてありがとうございます!! (2021年11月26日 17時) (レス) id: c19b7f2284 (このIDを非表示/違反報告)
なちょ(プロフ) - 最新までのお話読ませていただきました!とてもリアルで、私が実際に体験しているかのようで読んでいて楽しいです!次の更新が待ち切れません💓 (2021年11月26日 17時) (レス) @page39 id: d49be0b766 (このIDを非表示/違反報告)
エキゾチック幸助(プロフ) - 香さん» コメントありがとうございます!大変励みになります……口調は似せようと意識してたのでめちゃくちゃ嬉しいです!これからも頑張りますので、よろしくお願いします! (2021年11月24日 22時) (レス) id: c19b7f2284 (このIDを非表示/違反報告)
Cancake(プロフ) - エキゾチック幸助さん» はい!よかったです。これからも楽しみに読ませていただきます! (2021年11月24日 21時) (レス) id: 54f2916675 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:エキゾチック幸助 | 作成日時:2021年11月8日 19時