・ ページ10
.
しゃがんで、椅子に座るわたしの目線に
合わせたのえさんに言われる。
眉を寄せて、悲しそうに言われると何も
言えなくなってしまう。
すると、ぎゅっと両手をあたたかく
大きな手で包み込まれる。
川「俺らにはAちゃんがいないと困る。
でも、しんどいときに休んでもらわないと
もっと困る。辛そうな顔見ると俺らも
辛くなっちゃうよ」
倉「そうそう。頑張ってくれるのはすっげー
ありがたいし嬉しい。けど、無理しないで。
俺らにいつも言ってるんだから、
気持ちわかるっしょ？」
まつくさんも来て、いよいよ休まざるを
得なくなってきた。
確かに、この頭痛は辛いし、急ぎの仕事もない。
でもみなさんの為にやれることはまだまだ
たくさんあるのに、今休んだら……
そう思案していると、机に乗せていた荷物が
浮かび、そちらを見ると、
中「はい、じゃあ行こっか」
うみくんが怖いくらいの笑顔でそう言ってきた。
「え、行こっかって」
川「うん、海人頼んだよ」
倉「寝るまでな！」
中「りょーかい。じゃあ行きますよ。
歩ける？おんぶします？」
戸惑うわたしを無視して進む会話。
「え、いや稽古は？ひとりで帰れますし、」
中「今はお昼の１時間休憩で〜す。
どーせ夜まで稽古はあるし、トランポリンも
午前にやっちゃったから時間はあんの」
はやく、と言われ、まつくさんとのえさん
からもプレッシャーを与えられて、
しぶしぶ立ち上がる。
それと同時にクラリとめまいが起きて、
のえさんが支えてくれる。
ふらつきの衝撃で頭痛が一瞬酷くなり、
心配してくれる声にも反応できず
固まっていると、うみくんがわたしの
トートバックを肩にかけ、あろうことか
わたしの背中と膝裏に手を回した。
「ッ、え」
気づけばいわゆる『お姫様抱っこ』の形に
なっていてテンパる。
中「痛いんでしょ。なるべく揺らさないように
するから、大人しくしてて」
至近距離で言われて、頭の中はパニック。
でも、どんどん酷くなる頭痛に、
コクリと頷いて大人しくすることにした。
中「ん。いーこ」
優しく言われた言葉を最後に、
わたしの意識は深く沈んでいった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 631人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「TravisJapan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
エキゾチック幸助(プロフ) - ゆきのさん» コメントありがとうございます！もっとみんなに頑張ってもらいたいですね… (2021年11月5日 19時) (
レス) id: c19b7f2284 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきの(プロフ) - 楽しく読まさせていただきました！！げんげんが積極的なの容易に想像つきますよね〜好きな子に攻める割に意識してもらえないっていう…(笑)げんげんに負けないようにみんな頑張れ！！(笑) (2021年10月14日 0時) (レス) id: 90724bbd28 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：エキゾチック幸助 | 作成日時：2021年10月9日 14時
