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給湯室にストックしてあるドリンクの材料を出し、
頭の中にレシピを浮かべながら作る。
それを横で見てるまつくさんの顔はキラキラしてて
興味津々といった風。
「いい奥さんかあ、なれるといいなあ」
倉「マジなれる、てかなってほしいわ」
「え?」
倉「?…ッあ、そういうのじゃなくて、
こう、たらればの話っていうか、あの!」
またすごいことを言いだしたまつくさんが
慌てだして、思わず笑っちゃう。
「あはは!慌てすぎ。ありがとうございます。
はい、できたよ」
倉「〜〜〜、マジ恥ずい…ありがと」
できたドリンクをボトルに詰めて、
余った分を紙コップに入れて渡す。
結構余ったから誰かにもあげようかな、と
思いつつ自分の分を飲んでみる。
うん、なかなか美味しい。
倉「いや〜やっぱ美味いわ。天才」
元「どれどれ」
まつくさんの後ろの廊下から出て来た元太が、
わたしのコップを取って中身を飲んだ。
「あっ」
倉「おわあビビった!どっから出てきたの」
元「ん〜〜まつくのこんな味なんだ、うまっ。
俺のはスポドリみたいな味だよ」
お得意の人懐っこい笑顔で言う元太に、
怒る気が失せる。
倉「てか元太それAのじゃん」
元「そだよ〜、まだ飲みたかった?」
「いやいいよ、飲みな」
元「ウェ〜イ」
倉「え、でもおま、それ間接キ……」
言いながら口を押えたまつくさんに、ぽかんとする。
ちょっと耳を赤くして、もしかして照れてる?
元「Aと間接ちゅーもらっちゃった」
倉「デリカシーないぞお前」
あまりそういうのを気にしないから、
気にしてちょっと照れてるまつくさんが
一気に可愛らしく見えてくる。
「ッ、」
瞬間、お腹が鈍く痛んで、息が詰まる。
顔に出てかもしれないけど、二人が
話している最中だったから気づかれなかったみたい。
「じゃあ、うみくんの柔軟手伝ってきます」
元「あ、のえるが押してたから大丈夫だよ」
「そうなんだ。じゃあ戻ろっか」
3人で稽古場に戻る最中も、子宮をぎゅっと
絞られるような痛みが続き、身体もだるいし
眠気もすごくて、自分が歩けているのか
立ち止まってるのかも曖昧になってくる。
中「あ、せとちゃんのえるくんが押してくれたー」
「っ、ありがとうございます、遅くなってすみません」
表情を作って痛みに耐える。
みなさんの前になると、
意識をしっかり保てる気がする。
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作者名:エキゾチック幸助 | 作成日時:2021年9月24日 11時