Manager Tiger3 (ページ43)

今日:31 hit、昨日:33 hit、合計:140,726 hit

・ページ43

.

松田side

「な、に元太」

元「なにじゃない。今俺話そうとしてたでしょ」

「、早く稽古場向かわないと」

元「いま夜ご飯の時間だし、まだ大丈夫じゃん」

「……………」

目を合わせようとしない耳の赤いAに、
胸が高鳴る。

あんなこと言って、こんな顔して、
そんな態度とるの？

これ、俺期待してもいいのかな。

.

瀬戸side

女優さんと連絡先を交換してた元太に、
ついまるで彼女のような言葉を言ってしまった。

マネージャーが熱愛報道を気にするのは
当たり前だし、タレントのそういうゴシップは
よくないから、言わなくちゃいけないんだけど。

上手くさりげなく、でも的確に言いたいことを
伝えようと思うと難しい。

ましてや、元太には前にあんなこと言われて
練習台にされたばかり。

またからかわれたら流石にもう平気なフリして
喋れなくなる、とぐるぐる考えてるうちに、
あの日のことを思い出して恥ずかしくなってくる。

忘れよう忘れようと思っても浮かんでくる
鮮明な記憶に、時間が来て元太を呼び
廊下で歩いてても意識してしまい、
まともに顔が見れない。

そんなときに、元太が女優さんと連絡先
交換したよなんて報告してくるから、
とりあえず一瞬考えるために元太の
コミュ力を褒めた。

そして間が空かないうちに言わなきゃ、
言わなきゃと思いながら口を開いて出てきた
言葉は、ただの嫉妬する彼女みたいなセリフ。

言いたいことはこんなんじゃなくて、
『熱愛報道とか出て困るのはトラジャと
元太自身だから、気を付けてね』ってこと。

元太の交友関係を狭めたくないし、
元太の言葉に翻弄されてるなんて
悔しくて思われたくなかったから、
なんとかスマートに…と思ったのに。

元「…ね、さっきの、どういう意味？」

妙に色気を出して微笑んでくる元太に、
たじたじとしてしまう。

「え、と…」

元「ん……教えて？Aの気持ち」

頬に手を添えられ、親指が唇に触れ、
ふにふにと弄ばれている。

そこでこんなの覚えてくるんだろう、と
思いつつ、言葉をよく選んで口を開く。

.