・ ページ39
.
川「え、そうなの？」
倉「俺ら陰になって見えてなかった」
「頭痛いんじゃないですか？」
中「…別に、痛くない」
「気持ち悪くてふらつきますよね？」
宮「…海人」
わたしの言いたいことが分かったようで、
ちゃかさんがうみくんの顔を覗き込む。
宮「ここで意地張んな。7人揃って
初日迎えるんだろ。ちゃんと正直に言って」
目を逸らすうみくんにそう言ったちゃかさん。
二人を囲むようにメンバーみなさんが
心配そうに集まってる。
中「………ごめん、打った。
頭グラグラしてすっげー気持ち悪い」
コーチ「よく言った。いったん横になって寝てろ。
ちょっと良くなったら瀬戸ちゃん病院連れてって」
「はい！」
スタッフ「一旦休憩入れようか、
氷持ってきたから冷やそう」
七「あんま頭動かさない方がいいよね」
うみくんの言葉に、周りのスタッフさんたちが
動き出し、メンバーもうみくんを支えたり、
声を掛けたりとサポートに入ってくれた。
「スタッフさん氷枕作ってくれたから
ゆっくり横になって」
廊下に出て長椅子の上に寝てもらう。
「手足にしびれはない？」
中「うん」
脳震とうの可能性が高いから、頭を動かさず
冷やして、意識を確認、横にならせて
様子を見て、落ち着いてきたら病院で検査。
JUMPがSUMMARYをやってた頃、
稽古の見学中に父が教えてくれた。
おかげで、学校で脳震とうを起こした子の
処置を先生が来るまでやって、
褒められたことがある。
中「……、ありがと」
気持ち悪さと戦う中、ぽつりと呟かれた言葉に、
近くの病院を探してた手を止める。
「……検査して何事も無かったら、
野菜カレーでも食べてもらおうかな」
無理しないで。我慢しないで。
自分を大事にして。素直になって。
言いたいことはたくさんあったけど、
彼がいろんなことを考えて
行動してるのを知ってるから。
そんな状況を変えられないでいた
わたしにも非がある。
うみくんのことが終わったら、
もっとちゃんと頑張らないと。
中「ほんと、うちのマネって鬼」
力なく笑ったうみくんは、
最近でいちばん柔らかい表情をしてた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 635人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「TravisJapan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：エキゾチック幸助 | 作成日時：2021年9月24日 11時
