#30 Piripiri ページ36
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稽古入りからしばらく経った頃、
雑誌も収録も落ち着いて、
今日からは終日稽古につける。
元太のドラマはクランクアップ間近で、
サポートマネージャーさんと交互で
つくことになってる。
嫌がらせの件から控えていた送迎を再開して、
一人ずつバンで迎えに行き、稽古場に向かう。
車内は普段の彼らを知ってる人なら驚くくらい
静かだったけど、疲れてるんだな、と思って
そのまま運転に集中した。
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川「しめ、そこ違うよ」
七「…わかってる」
中「元太おまえここ修正したじゃん」
元「そんな言い方しなくてもいいでしょ」
吉「カーニバール！！！」
倉「閑也ごめん、休みたいから騒がないで」
吉「あ、ごめん……」
七「ちゃか休憩しなよ」
宮「………」
中「はぁ……空気わる」
うん、めっちゃ空気悪い。
連日の稽古はハードになっていき、休みでも
体は十分に休まらず、だんだんと疲労や
ストレスが溜まって、それがどうしても
態度に出てしまう。
毎日一緒にいて気の許せる、
家族のようなメンバーなら、なおさら。
前まではバックのジュニアとはしゃいだり、
ふざけたりしてた休憩時間も、無言のまま
スマホを見たり目を閉じて休む時間と
変わってしまっていた。
本番まで１か月というところで、
空気を変えていかないと、まずいかも。
「ちゃかさん、休憩してください。
身体を休める時間が必要だから取ってる時間です。
ドリンク作ったので飲みませんか」
宮「………ありがと。
しめにも言われたし、休むわ」
プラボトルに入れたドリンクを受け取った
ちゃかさんは、休憩スペースを通り過ぎて
部屋を出て行ってしまう。
ちょっと話を聞く必要がある、と
判断して、後を追いかける。
すると、部屋を出たすぐそばの裏口から
外に出て、階段に座って風に当たっていた。
「焦ってますね」
来るときに持ってきたタオルを
彼の首にかけて、言う。
宮「ありがと。……焦ってなんかないよ」
ボトルのドリンクを飲んでだあと、
ぽつりと言われた言葉に、ちゃかさんを見る。
「じゃあどうしたんですか。
言いたくないならいい、とは言えませんよ。
一緒に考えさせてください」
リーダーとマネージャーの連携は成功に必須です。
そう言って笑ってみると、ちゃかさんの
肩の力が抜けた感じがした。
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作者名：エキゾチック幸助 | 作成日時：2021年9月24日 11時
