Manager Tiger3 (ページ22)

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#24　Soudan ページ22

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今日は閑也くんのバスケ番組の収録に
テレビ局に来ていた。

吉「A準備できたよ～」

「あ、はい。じゃあ行きましょうか」

順調に収録を終え、帰り支度の済んだ
閑也くんを家まで送る。

吉「今日も緊張した～」

ふう～と息を吐く閑也くんに、
お疲れ様、と声を掛ける。

今日は助手席の気分らしく、
隣を見ると、「ありがと」と微笑まれる。

吉「ドラマはまだ先だけど、
台本覚えたり、役作りとかしてかないとだよね」

「そうですね…大家族のヤンキー役…
今から金髪にして撮影にはプリンで挑むとか」

吉「あ～それもいいね…いやファンの子に
髪染めろって怒られそう」

「ですよね。小さい兄弟のいる
ジュニアの子の家にお邪魔するとか」

吉「それはアリだね、みんなに聞いてみよ」

ドラマの話をする閑也くんは、
緊張もあるけど楽しみでたまらないっていうのが
伝わってきて、わたしもとてもワクワクしてくる。

吉「そういえば最近さ、元太、
Aのことチラチラ見てるけど、なんかあった？」

「えっ」

突然の名前に驚く。

『俺、Aのこと好きかも』

あのときの記憶が蘇り、顔に熱が集まる。

吉「なんかあった？」

辺りはもう暗いので、閑也くんにはバレずに済んだ。

なんとか思い出さないように封印してたのに。

あの後、元太からの視線はわたしもよく感じてたけど、
返事はいいって言ってた気がするし、『好き』じゃなく
『好きかも』と言われただけ。

元太はモテるって自他ともに認めてるほどにモテるから、
こうやって女の子を落としてるのかしら、練習台に
使ってくれちゃってタチ悪いわね、程度に思うことにした。

でも、やっぱりあの日のキスは記憶から消えてくれないし、
ほぼ毎日本人と顔を合わせてるから、忘れられるわけもない。

向こうも何も言ってこないから、
こっちも何でもないふりをして数週間。

それでもふとしたときには思い出してしまう。

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