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「あ、っていうかもう撮影してないので
一旦パーカー脱いできます」
七「うん。俺も行こうか?」
「すぐそこなんで、大丈夫ですよ!」
中「しめーー!!わかめあった!!!」
七「まじでーー!?じゃ、すぐ戻ってきなね!」
うみくんに呼ばれたしめさんは、握ってた手を放して、
頭をぽんぽんとしてそっちの方に走っていった。
一瞬の顔が男らしくて、
これがファンのみなさんの言う『龍也さん』かあ…と感心した。
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砂浜の奥にあるパラソルの下、ビニールシートに
皆さんの持ち歩き用荷物が置いてある。
そこにはスタッフさんは一人しかいなかった。
「あれ?みなさんはどこに…」
スタッフ1「ちょっと打合せ…みたいなのかな!」
「え、わたしも行った方が」
スタッフ1「大丈夫よ!って電話だ、ごめんちょっと
電話してくるから荷物番一瞬お願いしていい?」
もちろん引き受けて、スタッフさんを見送る。
すると、入れ替わりのようなタイミングでまつくさんが来た。
「あれ、どうしました?」
倉「なんかフラつくんだよね…ッ、」
「え、大丈夫ですか!?」
ぐらりと揺れて地面に手を着いたまつくさんに、
慌てて駆け寄る。
「そういえばまつくさん、あんまり水分取らない人でしたね。
一応経口補水液冷やしてあるので、飲んでください」
汗の量と日差しを鑑みて、熱中症だと判断した私は、
クーラーボックスから経口補水液を出して飲んでもらい、
アイスノンも取り出す。
マットを敷いた上に寝てもらって、大きいアイスノンを
タオルで包んでそれを枕にしてもらい、
首と脇と太ももにもアイスノンを当てて冷やした。
倉「うあーーー…ごめんね、」
「謝らないでください。気持ち悪いとかは無いですか」
倉「さっきまでは吐きそうだったけど、
今はだいじょぶ。たすかった〜」
「良かったです。ちょっと楽になったら
また飲んでくださいね」
倉「うん。ありがと。元太が声掛けて
くれてなかったら倒れてたかも」
「元太?」
倉「元太がちょっと休めって言ってきたんだよ。
水飲んで来いって。確かに暑くて気持ち悪かったし
座りたかったからこっち来たら、だんだん気持ち悪くなって」
「さすが松松ですね…」
そんな他愛ない会話をしてたら、
まつくさんは寝入ってしまった。
ちょっと休んだ方がいいと思って、目が覚めるまで、
ゆらゆらとまつくさんに団扇を仰いで風を送った。
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作者名:エキゾチック幸助 | 作成日時:2021年9月24日 11時