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中「ねえ俺の飲みなよ、ほら」
テーブルに手をついてぐいっと立ち上がり近づいた
目の据わったうみさんに口の前までグラスを運ばれ、
なにも考えずにそのお酒をひとくち飲む。
飲みやすい甘い味が広がり、日本酒の口だったから
甘みを強く感じる。
濡れた感触が気になり、
下品だけど唇に着いた水滴を舌でぺろっと舐めとる。
中「は、えろ」
川「Aちゃん……」
吉「もう、Aちゃん一回外の空気吸ってこよ！」
元「あ！しずやが誘拐した！」
閑也さんに腕を捕まれ立たされ、
そのまま外まで連れていかれる。
元太さんはケラケラ笑って横にいるまつくさんを
くすぐっていた。
吉「はあ。どんだけ飲んだの？」
店の外に置いてあったベンチに座らされ、
いつのまにか用意してたらしいお水を持たされる。
吉「水飲んで。ほら」
持ってたボトルのキャップまで開けてくれて、
言われるがままこくりと水を飲んだ。
「閑也さん、わたし酔ってないです」
吉「酔っぱらいほどそれ言うんだよ」
「ほんとにっ。ほろ酔い気分で喋ってただけなのに」
吉「ん〜。まあAちゃん……
Aはいつも敬語でしっかりした喋り方だしね」
名前を呼び捨てにされたけど、なんかうれしくて
、呼んでおいて不安そうにこっちをうかがう閑也さんが
可愛くて、ふふ、と笑う。
「でもちょっと酔った。閑也さんは酔ってないの？」
吉「ふふ、俺はゆっくり飲んでるから。
お酒強くてもAのペース早いから心配だよ、
俺もみんなも」
頬にしーくんのひんやりした手の甲を当てられ、
気持ちよくて目を閉じる。
するすると撫でられると、なんだか眠たくなってしまう。
吉「Aネコみたい。はい、にゃんにゃん〜」
「ん……にゃん…？」
夢うつつな中しーくんの声を復唱すると、
頬を撫でる手が止まった。
なんで、と不機嫌になり目を開けると、
お酒が回ったみたいに顔を赤くした閑也さんがいた。
七「しずAちゃんまだぁ〜？」
声を掛けようと口を開いたとき、お店からしめさんが
出てきてしーくんががばっと立ち上がった。
吉「っあ〜〜〜〜！！しめありがとう！
あっぶな！まじでAもうお酒飲まないでガチで！！
あぶない！！」
一息で早口に言われながら立たされて
みなさんのいる席まで押される。
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作者名：エキゾチック幸助 | 作成日時：2021年8月27日 16時
