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「はあ」
自分の部屋につき、お風呂に入りながらため息を吐く。
きっと、前のマネージャーはかなり酷かったんだろう。
ちゃかさんがあんなことを思ってしまうくらい。
自分たちで身を守ろうとしなければならないくらい、
彼らにとってマネージャーという存在の信用度は落ちてしまったんだ。
名前しか知らない彼女に怒っても今さら仕方がないのだけれど、
どうしようもないやるせなさでいっぱいになる。
ちゃかさんの言ったことは正しいと思う。
そこまでに信用できなかったマネージャーと同じ女性。
しかもちゃかさんよりも若い。
そんな人間、すぐに信用しろという方が無理な話だ。
わたしのすべきことは、彼らの信用を取り戻すこと。
なんでも相談してもらえて、支えになる存在になること。
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ここで落ち込んでちゃなにも始まらない。
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ぶくぶくと息を吐きながら湯船に沈み、
思い切り立ち上がって気合を入れる。
わたしはTravisJapanのマネージャー。
世界で輝く人たちのマネージャー。
わたしが出来ることは、なにがある?
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いても立ってもいられなくなり、
スキンケアもそこそこにPCを開く。
資料としてもらったオリジナル曲の
ダンス動画一覧のフォルダを開き、深呼吸。
邪魔な前髪をヘアバンドで固定し、
動きやすいジャージとTシャツに着替えて
動画を再生した。
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作者名:エキゾチック幸助 | 作成日時:2021年8月18日 12時