#２−４７ Imano Wasurete ページ31
.
2月に入り、ちょっとずつ
暖かくなってきた。
依然、ちゃかさんはわたしを
家まで送り続けてくれている。
宮「じゃ行こっか」
「はい！お先に失礼します」
川「お疲れ〜気を付けてね」
ちゃかさんの準備が整い、
二人で事務所を後にする。
元「俺もなんかしてあげたいのに…」
吉「今はちゃかのターンだな〜」
中「ま、見守るしかできんよおれらには」
.
宮「YouTubeでさ、
やりたい企画あるんだけど」
「お、素晴らしいです。
どんなのですか？」
仕事の話をしたり、
宮「しめがカエルをナマズだと勘違いしてて」
「いよいよ心配になるレベルですね」
メンバーの話をしたり。
宮「妹に『ふざけオニギリ』って罵られて」
「ワードセンスが迷走している…」
ご家族の話もしたり。
いろんな話をこの帰り道にしてきた。
宮「………、まだ何か？」
川上「……………、A」
この生活も、もう終わりを迎えるんだろう。
「なに？」
目の前に現れた川上は、
なんだか泣いてしまいそうな顔をしていた。
川上「……ずっと、二人を見てた」
そっと、ちゃかさんがわたしの前に立ち、
守ってくれるような位置にいてくれて、
なにひとつ怖くない。
川上「……俺は、もうダメなんだな」
瞳がゆらゆらと揺れ光り、この人の涙を
見るのはいつぶりだろう、と思う。
「―――うん。」
川上「……海斗さん、って言ったよね」
宮「…ええ」
川上「……Aを、幸せにしてください」
いきなり頭を下げた川上に、驚く。
そんなこと、する人だったっけ。
宮「……言われなくても、
幸せにしていきます」
川上「……A、いい人だな」
「うん……素敵な人だよ」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 365人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：エキゾチック幸助 | 作成日時：2022年10月31日 16時
