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「ふふ、みどりだね」
中「深い意味はないんだけどね」
緑が一番オシャレだったから。
続けたうみくんの言葉に、また笑う。
素直じゃないうみくんの、
とっても素敵なプレゼント。
「大切に使うね」
中「ペンは全部それ使ってね」
「ええ？」
うみくんが次の仕事に行くまで、
のんびりとした時間を過ごした。
.
「―――よし…こんなとこかな」
仕事がひと段落し、時計を見ると
夕食時になっていた。
うみくんが来たの、夕方だったんだ、と
冬の日の短さを感じながら、腹ごしらえを
どうするか考える。
クリスマスに一人ご飯はさすがに寂しいけど、
マネ陣もメンバーのみなさんも仕事だし、
カマネエたちも最近は忙しいようだし。
「腹くくるかあ」
いざ、メンタル鍛えに一人クリスマスご飯だ…！
と意気込んだそのとき。
元「づがれだーーー！！！」
誰もいない事務室に、
大きな声が響く。
「元太…うるさ」
元「うるさじゃないよ！！クリスマスってのに
１秒も休めないとかヤバすぎ！！」
ダンダンと音を立てながら歩いてきた元太に、
憐れみと慰めの視線を送る。
「元太はこのあと…」
元「ふふーん、フリーでぇす！！」
「あれ？元太が一番予定詰まってたよね？」
スケジュールを確認すると、雑誌撮影２本に
バラエティ収録、ネット記事のインタビュー、
雑誌特別企画の打合せが入ってたはず。
元「俺の頑張りでパパッと終わらせてきたぜ」
キラーンと効果音が出そうなキメ顔をされる。
「頑張り」
元「そ！ちょー気合い入れてぇ、
んで撮影はまじ秒で終わった！」
『ほめて！』と言わんばかりの
キラキラした目に、わたしも納得して
笑顔を向ける。
「めっちゃ頑張ったね。お疲れさま」
引き出しに入れてるビターチョコを
ひとつ取り出して、元太に渡す。
元「いっえーい！！頑張ったかいあったわ〜〜」
包みから取り出してパクッと食べた元太は、
わたしがまとめていた荷物をヒョイっと
持って肩にかけた。
「え？」
元「俺はフリーだし、Aも帰んでしょ？飯いこーよ」
にっと笑った元太に、腹をくくっていた
わたしはぽかんとした。
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作者名：エキゾチック幸助 | 作成日時：2022年10月31日 16時
