Manager Tiger Ⅱ-３ (ページ16)

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「ありがとう、のえるくん」

川「うん！こういう言い回しして
ちゃんと理解してくれる人が出来て
俺すっごいうれし～」

「確かにみんなだったら
ポカンとしちゃうかも？」

川「だよねぇ」

一緒に歩いて、マンションの下までの
距離をのんびりのんびり歩いた。

もっと喋りたくて。
素敵な時間を終わらせたくなくって。

川「じゃーそろそろ寒いから」

のえるくんの言葉に、頷く。

「送ってくれてありがとうございます」

川「なんの。当たり前だよ」

おやすみなさい、と踵を返して、
マンションの扉が開く一歩手前まで
きたとき、「Aちゃん！」と声がした。

「はい？」

振り返ると、小走りで向かってきた
のえるくんが、近くで屈んで
目線を合わせてくる。

川「気持ちに余裕が出てきたら、
前に言ったこと、考えてね？」

「前に？」

川「いつだかみんなでお鍋食べた時、
ふたりで話したこと。俺まだあのときと変わらず」

そこまで言ったのえるくんが、
もっと近くに来て、耳元で囁いた。

「へ、」

川「おやすみね！」

たたっと走って去っていくのえるくんに、
わたしはフリーズしたままだった。

『―――Aちゃんの恋人さんになりたいんだよ』

耳元に残る声に、顔に熱が集まっていくのを
感じて、いてもたってもいられずに
急いでマンションに入った。

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