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メスが五本 ページ9




「ところで、さっき遠いところでって言ってたけどどこでお医者さんやってるの?」

『え?』

いきなり核心ついてきやがったぞこの坊主。


「えっとね、僕も知ってたらなあと思って」


『うーん。そうだな、ここから市役所の近くに大きなショッピングモールできたじゃないですか?』

「うん。」

『あそこの近く』

「うん?ちょっと僕分かんないや」




『ところで俺からも質問なんだけどね』

「え?なに?」

僅かにコナン君の顔が引きつったのが見えた。

『君はいつまで僕の腕をそんなに固く掴んだままなの?』

「いやあ、お兄さん逃げちゃうと思って」


そりゃあ逃げるな。
軽く拷問だもん。これ。


それでも話してくれない彼は思っていたより強情らしい。




「僕もっとお兄さんのこと知りたいな〜」

『うん。嬉しいけど君は小学生なんだから俺のことより漢字を覚えた方がいいと思うよ。』

「えーでも僕知りたいもん」

『わがまま言っちゃダメだって』




子供らしく俺の腕をブンブンと振り回すコナン君にちょっと愛情が湧いたのはきっと気のせい。


















『大人はね、誰しも秘密を持ってるんだよ』









「っ!」

俺はコナン君の背中に抱きつき、肩を抱きしめてそう囁いた。






『君たちはまだ甘いキャンディーを舐めとけばいいんだ。』






これあげるよ。

俺は持っていたコーラ味の飴を彼のポケットにねじ込んだ。






「あ、ちょ!」









後ろから小走りで追いかけてくる彼の靴の音はまだ続いている。俺は毛利探偵事務所を尻目に早足で歩き出したのだった。


注射器六本→←メスが四本



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Указать - カロナール24錠のところ、文字化けが発生しております。後、いつも素敵なお話をありがとうございます。 (2019年8月12日 1時) (レス) id: 3506ccb36c (このIDを非表示/違反報告)
松の葉(プロフ) - 腐るのであれば、BLのフラグをたてた方が良いのでは……?勘違いであれば申し訳ないです (2019年8月10日 9時) (レス) id: 0752d2fe1f (このIDを非表示/違反報告)
びょう(プロフ) - 15本目の何時も通り〜〜の所の字が化けちゃってますよ。ps.更新ありがとうございます。作者様を応援しております。 (2019年8月3日 21時) (レス) id: 0b0984a937 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - とても面白いです!! (2019年7月30日 17時) (レス) id: 19c16fa711 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ビルト・イン・スタビライザー(笑) | 作成日時:2019年7月6日 18時

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