【名探偵コナン】やっと開業医になったら変な酒の名前つけられてえらいことになってんだけど…【男主】

ステロイド十九錠 ページ26

..

ライside




雨の日の夜突然訪れた緑の悪魔。
いつの間にか一ヶ月経とうとしている。


『...』

「...そんなに気を張らなくて大丈夫だぞ。なに、取って食ったりはしないさ。」

『はい』








俺はこいつを護衛している。
いや監視をしているといっていいか？



一ヶ月近くこいつを観察して分かったのは、商いが上手く、毒.物や火薬などに詳しいこと。だからよく怪しげな奴との商売を任されているのを見る。

それと...あのジンがこいつに執着していること。もうそれは異常といってもいいくらい。
あのジンに気に入られる人物だ。注意していて損はない。


「ボルドーは何か好きな食べ物とかあるのか？」

『...』

「おい」

『コーヒーと魚』


だが俺が何か話そうとしても、無愛想だ。
緑色の瞳に光はない。
瞳の中でただ淀みの様に広がっていく深緑が何ともいいがたい。

そんな表情だった。








.








今日の任務は以前取引を行っていた、裏切り者の始末だ。






『行ってくる。』

「ああ、無理はするなよ」

『ああ...頼りにしている』

「」

路地裏を抜け、街灯に照らされた開かれた場所に出ると、ボルドーはそういって儚げに微笑むと黒い丈の長い上着を翻し歩いて行った。

俺も遅れてはいけないと、近くのビルの屋上への階段を見つけ上がる。






「...はあ。」

どういう掌返しだ？
今までうんともすんとも言わなかったくせに。

俺も単純な男だ。
ボルドーのあんな安っぽい一言にこんなに嬉しさを感じるなんてな。

ステロイド二十錠→←Bordeaux　

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す