【名探偵コナン】やっと開業医になったら変な酒の名前つけられてえらいことになってんだけど…【男主】

【裏】ケロイド.zero　 ページ20

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憎い。







『…』

息を殺して夜の町に溶け混むと、嫌でもあの感覚がよみがえる。

『和奏…』







憎悪は罪である。
そんなことを何処かで聞いた。
人間の罪である。汚い感情である。


変装の為に被った長髪のウィッグの不快感も慣れはじめてしまった。




『何故和奏が死ななきゃいけなかった？』

和奏は可愛い子だった。
俺の唯一の親戚だった。


『…』

転生した俺には、この子がいた。
両親も兄貴も亡くした俺に唯一与えられた家族だった。





転生というものはいいものではない。
何故なら今まで手に入れたものをすべて失ってゼロからスタートするからだ。

両親も兄貴もいない。
それが意味するのは過酷な生活。
高校に入り親がいないということは異質に思われた。

そんな中で、同じく両親を亡くした親戚。俺の親父の姉の娘。俺の親父に姉はいないはずだった。しかし彼女は俺の元にやってきた。親戚として。







そんな彼女は俺の仲間だと思った。
それに前世で残る記憶の少女の姿が重なり、この子を守ることが使命だとも
思った。









『絶対仇をとってやる…』

屋上から見るビルの光が目障りに思えた。





血だらけで放置されていた彼女の遺体。
18歳の若さだった。






『俺は真っ白である意味をなくしたんだ…和奏をあんなことにしたやつを全員...』

犯罪の多いこの町が憎らしい。


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