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乾杯から15分程度で小さめのマルゲリータが届く。コース料理の前半はお腹にたまらないような軽い料理ばかりだったので、このタイミングでのマルゲリータは最高だ。空腹を一旦落ち着かせ、メインに備える。
マルゲリータは耳から香ばしい小麦の香りがする。一口噛むと、トマトのみずみずしさとバジルの香りがピザを引き立たせる。チーズの香りもきつすぎず程よいバランスでピザの旨味を調和している。
メインは熟成牛ロースの炭火焼き。牛肉の味がしっかりして、でも硬すぎず、柔らかすぎず。後から炭の香りが香ばしくお肉の味を引き立たせる。
メインと一緒に鳥のフリッターとポテトも届く。メインを食べて程よく食欲を満たしたところで、席を移動しても気軽につまめるポテトはコース料理の定番。唐揚げではなく鶏のフリッターを出すところがイタリアンな感じを崩さず、ワインにも合うおつまみで素敵なチョイスだとおもう。
メインの途中にビールを飲み終わり、ウーロン茶で体内のアルコールを薄める。せっかく来たのだから、食事もしっかり味いたい。赤ら顔を手で押さえながら、周りの雰囲気を楽しむ。
院長は相変わらず、気さくにMRさんと事務長、ベテラン看護師さんと談笑している。
隣の席では渚師長や他の看護師に濱田さんが色々つっこまれて、その横で桐山さんが大爆笑している。
ここの席は若い看護師さんと空後輩の恋バナを私と花先輩が聞くと言う穏やかな席だ。
中間「お疲れ様。お邪魔します。」
空後輩「お疲れ様です。」
中間「みんな飲んでる?」
花先輩「ありがとうございます。美味しく頂いてますよ。」
中間「Aさんは?もう飲まへんの?」
A「あぁ…。はい。お料理美味しく頂きたいので。アルコールはもう…。」
空後輩「Aさん、お酒強くないですよね。」
A「うん。ちょっと頂ければ十分かな。」
中間「あっちに、飲めへんのにベロンベロンの奴おるけどな(笑)」
そう言って、濱田さんを指さす。
濱田さんは真っ赤な顔をしてふにゃふにゃしている。
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作者名:na0k0 | 作成日時:2021年1月1日 23時