二合酒 (ページ31)

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連絡がないまま、火曜日、祝日。

予約していたデパートに行く。

久本さんの傘の修理を依頼していた。

修理をしている間、紳士用のハンカチを探しに。

この前、保冷剤で巻いてもらった濱田さんのハンカチがずいぶん伸びて形が変になっていたので。

お詫びを兼ねて。

選んでいるところに聞き慣れてしまった声。

濱田「ちょっと待ってやぁ～。」

？？「しっかりしぃやぁ～。」

濱田「買いすぎやろ。まだ、産まれてへんのに。」

？？「何ゆうてんの？産まれたら買いに行かれへんやろ。」

濱田「ちょ～。はしゃぐなやぁ～。妊婦やろぉ～。」

…えっ？

…どういう事？

　

そんな時に限って、空後輩の言葉が浮かぶ…。

…“結婚してたんですよ！！”

…もう、嫌だ。

他人に振り回されるのは…。

もう疲れた。

次の日、クリニックに来たのが分かった時点で避けた。

夜、着信があったけど、無視してしまった。

その次の日も。

受付にいたから避ける事はできなかったけど。

濱田「お世話になります。納品に来ました。」

渚師長「濱田さ～ん。お世話になります。」

濱田「お世話になります。納品、お願いします。」

渚師長「は～い。あ、また前みたいに飲みに行きましょうよ！」

濱田「いいですよ。またみんなで行きましょう！」

渚師長「やったぁ～！」

中間「あ、濱ちゃんお疲れ。」

濱田「お疲れ様です。」

中間「今度の土曜日、みんなで新年会するんやけど来てくれへん？」

濱田「ほんまですか！是非、お邪魔させてもらいます。」

渚師長「やったぁ～！濱田さん来てくれるんですね！」

濱田「はい。喜んで。参加させて頂きます。」

中間「クリニックだけでやっても、男は僕と親父だけやから、他の業者さんにも声かけたんよ。濱ちゃんと照史が来てくれたら心強いわぁ～。」

濱田「はい。楽しみにしてます。」