二合酒 (ページ11)

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～濱田side～
トイレから出るとそそくさと出て行く彼女。

A「おやすみなさい！」

ﾋﾞｼｬﾝ！！

濱田「えぇ～。」

大将「嫌われたっちゃないと？(笑)」

桐山「濱ちゃん！まだ間に合う！(笑)」

そう言って俺のコートを差し出す照史。

それを着て、すぐに外に出る。

…寒いっ！！

店から早足で帰る彼女を見つける。

濱田「ちょっと待って！」

自分でも思った以上に声が大きくて焦る。
そのまま、駆け足で彼女の元へ。

一旦立ち止まだだ彼女は、ゆっくりと振り返る。

濱田「よかった。間に合った。」

少しの駆け足でふらふらする。

濱田「ヤバイ。酔っとるから、ちょっとの距離で息が上がるわ(笑)」

ほんまにカッコ悪い。

濱田「家どっちですか？」

A「…。あ、あの…お連れの方、お一人にして大丈夫ですか？あ、私は…あの、ほんと…すぐ近くなんで…その…。」

不安そうな彼女に今更ながら迷惑だったのではと気づく。

濱田「あ、迷惑…でしたよね。いきなり。」

A「いやいや！あの…そ、そう言うわけではなくて。ほ、ほんとに申し訳なくて…」

濱田「だったら大丈夫です。少し飲みすぎて。酔いも覚ましたかったんで。僕、あんまり強くないっすよ。だから。大丈夫です。」

…返事がない。

A「…。で、でも。」

濱田「ﾊﾊｯ(笑)ほんま！大丈夫ですから。ほら、行きましょう。冷えますよ。こっちですか？」

A「…は、はい。」

強引に先に歩き出す。

が、家が分からん。

全くもってカッコつかない。笑顔で誤魔化す。

彼女が隣に並び、2人で歩き出す。

無言が辛い。

こういう時のコミュニケーション力の無さに、自分の無力さに、泣けて来る。

でも、何か話さねば。

濱田「ポテサラ、美味しかったですか？」

はい。終わった。

話を振るの下手すぎ。

自分で自分に泣けてくる。

A「はい。とっても。スーパーのお惣菜とか自分で作ったものより遥かに美味しく頂きました。居酒屋のポテサラって凄いですよね。同じポテサラなのにお酒が進んじゃいますし。」

濱田「へぇ～。なんか、そんなん言われたら僕も食べたくなってきました。」

A「是非！オススメですよ。」