突然の電話 (5/10) ページ21
ちょうど日が沈んだ頃。
「今電話していい？」って送ったら
すぐに既読になってAちゃんから着信。
ちょっとびっくりして携帯を落としかけた。
「おっ…と、あ、もしもし？」
「今、大丈夫でした？」
「うん、むしろ嬉しい」
「よかった…田中さん、こんばんは」
「田中"さん"？樹くんでしょ？」
電話の向こうで戸惑ってる空気を感じる。
"あ、え、あ、ですよね"
「えっと、樹くん」
くうー！！いい！いい！
「かわいい、合格」
「あ、ありがとうございます？」
「今何してたの？」
「月、見てました」
月？
外を見てみたら月が輝いてたから、
思わずベランダに出た。
「おーすごいね」
「はい、大きいです」
「あー、それで用件なんだけど、今度また集まろってなったんだけど、いつがダメとかある？」
「前もって言ってくださったら基本いつでも大丈夫です」
「ほんと？まじ助かるわ、ありがとう」
このままちょっと攻める。
「…今、ヒマ？てか、メシ食った？」
「まだ食べてないです、そして暇です」
「今から迎えに行ってもいい？」
「今からですか？！」
「だめ？」
「だめじゃないです、待ってます」
「よっしゃ、そしたら着きそうになったらまた連絡するわ」
すぐ車に乗り込んで、Aちゃんを迎えに行く。
バニラの匂いの香水をつけて。
ひさびさに会ったAちゃんは、ポニーテールだった。
膝上のスカートを履いて、控えめに言って
しぬほどかわいい。
「おまたせ…あれ、オシャレしてくれた？」
「はい、樹くんと会うから」
イヤリングをしてるのを初めて見た。
ゆらゆら、ずっと見てられる。
助手席に彼女を乗せて、発進する。
最近も女の子とは会ってたけど
Aちゃんがダントツでかわいい。
信号待ちで、横を見ると薄い茶色の瞳と目が合う。
「行きたいところ、ある？」
「樹くんがいつも行くお店、教えてほしいです」
「ちょっと遠くに行くけど、いい？」
頷いた彼女の頬がキュッと上がって、
はやく俺のものにしたくなった。
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つき(プロフ) - sailさん» 素敵なコメントまでくださって、とてもうれしいです（ ; ; ）こちらこそ、ありがとうございました。今日はいい夢が見られそうです。 (2020年12月10日 12時) (
レス) id: 7ed4157c8a (このIDを非表示/違反報告)
sail(プロフ) - とってもとっても素敵な作品すぎてコメントさせていただきました。ふたりのもどかしい距離にキュンキュンしました！素敵なお話をありがとうございました。 (2020年11月9日 13時) (レス) id: 68c0c1ca67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つき
| 作成日時：2020年5月5日 0時
