脳内花畑 ページ11
「…え？」
「こないだ女の人といるところ、見ました」
"彼女さんなのかはわかりませんけど"
わざと付け加えて。
「いつ！？」
「いつだっけなあ、」
「てか、いつかはどうでもいいの！」
慌てふためいてる俺、かっこ悪すぎる。
あーまた、喋るたびにボロが出る。
誰か止めて。
でも止めてくれるやつもいない。
「彼女、いないから」
「へえ〜」
この顔は、絶対信じてくれてないな。
そのぶーたれたような顔もかわいいけど。
Aちゃんがちょっと笑った。
切なそうな顔。
その伏せられたまつげに
ちょっとは期待していいの？
どんな気持ち隠してる？
知ってもいい？
そういえば口数少なくなったなって思ったら
いつのまにかAちゃんは
うしろのソファにもたれて寝息を立てていた。
「疲れてたみたいだね」
北斗がブランケットを持ってきて『ほらよ』って
俺に投げる。
「いつも寝ちゃうの？Aちゃん」
「んー、寝落ちはあんまないけどね」
ブランケットをかけて、そのまま俺の腕で
包んであげたくなった。けど我慢。
耐えろ、俺。
「お前、ばかだねー」
「んあ？」
「"駆け引き��ですか？？」
ニヤリと笑うこいつの顔は
悔しいけど相当かっけえよ。
「うるせえ、んなのわかってるわ」
落ち着こう。
缶に残ってたビールも飲んでしまおうと
少し体を起こすと、俺の肩がAちゃんの肩に当たった。
やべ、
起きた…？
すぐ元の位置に戻って、静止してると
俺の肩に、重み。
心地いい、重み。
いい匂いする、重み。
あ…
めちゃくちゃ
俺の彼女、みたい。
俺、彼氏みたい。
「もうこれ飲まねえよな？片付けるよ」
缶を片付け始める北斗をちっちゃな声で呼んで、
「ほくと！ほくと！」
見て！
まるで彼氏ヅラ。
ちょっと俺の頭とくっつけちゃったりして。
俺のものだぜ、感。
「あー…まあ…お似合いっちゃあ、お似合いなのかなー？」
フッて笑って、冷やかすような顔。
脳内お花畑の俺にはちょうどいい。
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つき(プロフ) - sailさん» 素敵なコメントまでくださって、とてもうれしいです（ ; ; ）こちらこそ、ありがとうございました。今日はいい夢が見られそうです。 (2020年12月10日 12時) (
レス) id: 7ed4157c8a (このIDを非表示/違反報告)
sail(プロフ) - とってもとっても素敵な作品すぎてコメントさせていただきました。ふたりのもどかしい距離にキュンキュンしました！素敵なお話をありがとうございました。 (2020年11月9日 13時) (レス) id: 68c0c1ca67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つき
| 作成日時：2020年5月5日 0時
