Fischer's- (短編集)

ありがとな！！ -ザカオ- ページ40

私は昨日、大好きな彼と喧嘩をしてしまった。


原因は些細な事で、

Fischer's全員集合して
撮影をする約束をしていたのに
ザカだけ参加出来なかった。


結衣『ずっと約束してたよね！？』


ザ「急な仕事だったんだ…本当にごめんッ！！」


結衣『……ザカは、


メンバーと仕事どっちが大切なの？』



ザ「それはッ………」



結衣『もう知らないッ！！』



私は一方的に電話を切った。




分かっていた。

ザカだって、
きっとメンバーに会いたかった。


一緒に動画を撮りたかったと思う。


仕方ない事だと
頭では分かっていたものの
カッとなって思わず口にしてしまった。



電話を切った後、
私が頭を抱え落ち込んでいると



シ「落ち込むなら言うなよwww」


モ「勢いだったんだよね？よしよし。」


ぺ「後でちゃんと仲直りしなよ？」


ン「俺も一緒に話してあげるよ。」


ダ「気にすんなよ！！」


マ「ザカオも色々忙しいんだ、仕方ないよ。」




皆んな優しく私をフォローしてくれた。



ザカ、
ごめんね…。



その日はザカの誕生日だった。



私はこっそり用意していた
プレゼントを渡さぬまま帰宅した。


帰宅後、


結衣『あ、プレゼント…シルクの家に忘れた！！』



しかし、
会う予定も暫く無かった為
私はシルクに『置いといて。』と
LINEを入れた。



それから数日が経った。


その日はUUUM主催のイベントに
参加する事になっていた。


しかし、最悪な事に
私は風邪を拗らせ入院していた。




結衣『行きたかったなぁ…』



私は1人病室で溜息を溢した。


そのイベントはYouTubeで生配信される為、
私はパソコンを開き、その様子を1人眺めていた。


そして
皆んなの出番。



Fischer'sは今回【虹】を歌う事になっていた。



音楽が流れ始め、
皆んな大盛り上がりでスタートした。


歌は進み、
シルクのソロパートに差し掛かった時…



結衣『ッ…なんで…』



ザカはシルクの横でブレイクダンスを踊っていた。


そしてその頭には、
私がザカの誕生日に渡せなかった
プレゼントの帽子があった。



私は嬉しさのあまり少し涙ぐんだ。



イベントが終わると同時に電話が来た。


私は病室から移動し、電話に出た。



結衣『ッ…もしもし、』



ザ「この前…ごめんな？」



結衣『謝らなきゃいけないのは私の方…本当にごめんなさい！！』



ザ「……プレゼント、ありがとな！！」



彼は電話の向こうできっと笑っている。

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