気づいたら審神者見習いになってた【刀剣乱舞】 (ページ3)

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第1話ページ3

目を開けたら、元の世界に戻っている訳ではなくどでかい門の前にいました。

おそらく、私が見習いするところの本丸の門前だな。

というか、いきなり飛ばすとか絶対ブラック政府だよね…。

もう嫌な予感しかしない。

この門も朽ちているし

そう思っていると、門が重たい音を立てて開かれる。

そこに立っていたのは、

至る所から血を流しボロボロになった五虎退だった。それに5匹いるはずの虎は4匹しかいない。

綺麗な黄色い目はなく、濁った目で死んだような表情で見ている。

「っっっ！」

思わず息を飲む。

これはひどすぎる。

空気が淀んでいるし、五虎退のこの状態。

ここはブラック本丸だ

五虎退に、付いて来てくださいと言われ、かける言葉も見つからず黙って付いて行く。

何振りいるのか知らないが、廊下を歩いていても物音一つしなかった。

「見習いさんこちらです。主様は忙しいので今日は会えないそうです。夕餉はこちらにお持ちしますのでご自由にしていてください。離れの方に絶対には近づかないようお願いします」

抑揚のない声そう言われ、布団が1組引いて少し余裕があるくらいの部屋に通される。

「待ってください！どうしてそんな傷だらけ何ですか？手入れは？」

そしてこの部屋から出て行こうとする五虎退の腕を掴んで、気づいたらそう言ってしまっていた。

おいー！もっと違う言い方あっただろう自分。ばか！

しかも段々と五虎退が光で包まれていく。どういうこと、私のせい！？

途端に掴んでいる腕を離すと、その光は治った。

「何ですかこれっ！………傷がなくなった？…… 虎くん！」

そこには先程の傷が綺麗さっぱりなくなった五虎退と、その足元には5匹の虎がいた。

下を向いて涙を流している五虎退に、大丈夫だよとでも言っているように虎たちがすり寄っていた。

そして決心したように顔を上げた。

「見習いさん…っ！兄さん達を助けてっ！。僕をどうしてもいいから」

目には涙を溜め、懇願するように見つめられる。

無責任にはいとは答えられない。

でもこのまま見過ごしたら、一生後悔するだろう。

だから、私は______

「分かりました。ではまず、五虎退様。もっと自分を大切にしてください」

「自分を大切にですか？」

「そうです。まずはそれからです。そしてこの本丸がどうなってるのか教えていただけますか？」

五虎退は、大きく一つ頷いてポツリとポツリと話始めた。