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聡「ここに座っておいてください。
あ、喉渇いてます?紅茶ならあるんですけど、、、」
「あ、大丈夫です。お構いなく。」
聡「もし、何かあったら遠慮なく声かけてください。」
ペコっとして松島くんはアシスタントの仕事に戻っていった
それを見てから私も視線をまた風磨に移す
彼がカメラマンだと名乗られても
いまいちピンときてなかったけど
実際にこうして写真を撮っている風磨を見ると
本当にカメラマンなんだと思った
テレビとかで見るこういう撮影の現場ってもっとにぎやかで
カメラマンもハイテンションに
いいねぇ〜、違うアングルでいこうか?
お、それもいいねぇ〜
みたいなノリだと思ってたけど、
実際は違った
静かにシャッターを切っては
風磨「次、振り返ってみて
もう少し、顔ちょうだい」
冷静な指示をモデルに飛ばす
風磨「よし。そこで。
大丈夫、自信持ってレンズだけ見て」
優しい声でモデルを安心させて
そしてまたシャッターを切る
聡「風磨くんの撮り方って独特なんですよね」
気づけば松島さんが隣にいた
聡「風磨くんは1枚、1枚完璧なものしか撮らないんです。
そのために時間をかけて何回もテストしたり、打ち合わせしたり、、、
その分時間はかかるんですけど、
だからこそ風磨くんの作品は美しくて、作品そのものが生きているんですよ」
風磨のことを熱く語る松島さんからは、風磨に対する憧れが見てとれた
風磨の話を聞いて
カッコいい
純粋にそう思ってしまった
私よりも若いのに自分のやりたい仕事を堂々とこなして
キラキラ輝いている
そんな風磨がまぶしく見えた
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作者名:紫陽花 | 作成日時:2018年10月14日 18時