幸せになりたい【 伊黒小芭内 】

・・・ 拾肆 ページ41

Aside


伊黒さんと甘味処でお食事をすることになった。


伊「A、食べたいものがあればなんでも言え。」


食べたいものと言われても
基本なんでも食べれるので
大好きなぜんざいを頼むことにした。




伊黒さんは、"お前が食べている姿を見るだけで
満足だ"と言うので、何も頼んでいなかった。




「こちらはぜんざいです。
どうぞお召し上がりください」




女の人が持ってきてくれたので
早速机に置かれたぜんざいを食べることにした。




「いただきます…」



そうして、ぜんざいを口に運ぶと
絶妙な小豆の甘さに絡められたお餅が入る。




「美味しい...伊黒さん！
このぜんざいとっても美味しいです！」




私が興奮気味で伊黒さんに伝えると
優しい笑顔を向け、目を細めていた。




伊「良かったな..ぜんざいが好きなのか？」




「はい、母親がよく作ってくれたんです
また食べたいなって思って選びました。」



母さんが作ってくれたぜんざいは
甘味処も少しお餅の柔らかさが違う。


甘味処のお餅はもちもちとしていて
食感が良かった



伊「そうかい、Aが喜んでくれたのなら
それでいい」




伊黒さんはそう言いながら、私の頭をそっと撫でる
優しい笑顔を向けられ、自然と頬が
熱くなるのが分かった




甘味処に行く途中、頬に口付けをされた時は
胸の鼓動が収まらなかった。


ドクドクと心音が鳴り、伊黒さんにも
聞こえてしまうんではないかと
必死に抑えようとした。




でも簡単に収まるはずもなく
収まったのは、甘味所のに着いた時だった。







ぜんざいを食べ終わり、甘味処を出ていく。





すると、伊黒さんは口を開いた。

伊「少し寄っていきたい場所があるのだが
そこに寄ってもいいか？」



「はい、私でよければ行きます…」






寄っていきたい場所とはどこだろう。
蜜璃さんへの贈り物だろうか？






考えている間に着いた



「簪..…？」



伊「女性に贈りたいんだが、Aは
どれがいいと思う？」




女性に贈り物か





何故か心がズキズキと傷んだ



ズキズキ？なんでこんなに心が抉られるのだろう？




伊「A？どうかしたのか？」





「い..いえ、少し考え事をしていただけです。
じゃあ一緒に選びましょう」





伊「嗚呼…」





伊黒さんと色んな簪を見た

どれも綺麗なものばかりだった






伊黒さんは誰に簪を送るのだろうか？

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