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僕が勘違いしてること、そんなこと本当にあるのだろうか

1人悩んでいると、意を決したらしいAさんがキュッと拳を固めた




「その……勘違いさせるようなこと…沢山してごめんなさい……」


「えっと……僕はなにを勘違いしてるのかな…?考えたけど分からなくて……」


「なにって……いろいろだよ…。私が貴方に言ったこと。良くしてくれてるのに他人だとか言ったし、手紙だって……」




手紙。そう言われて脳裏に浮かんだのは真っ白な紙の真ん中に書かれた文字

端正な文字で『貴方のせいじゃない』とだけ書かれた手紙……

あれが勘違いって…?




「そらるさんから聞いたんだけど…あれのせいで追い討ちかけるようなことになっちゃって…」


「追い討ちってそんな…」


「訂正しておくけど、俺は事実を述べただけだからな。Aさんがそれを追い討ちをかけたって思ってるって話」


「そんなつもりで書いたんじゃなかったんだけど…あの状況じゃどうしても当てつけみたいだよね……」



そういうと彼女は俯いた

確かに、僕はあの手紙を読んで不甲斐なさは感じた

だけどきっと、彼女がいうような追い打ちはかけられていない

むしろ彼女が僕を気遣ってくれたことに息をのんだ

僕が彼女にとってそういう存在になれたことに、嬉しさすら感じていた



「大丈夫ですよ。僕はAさんから手紙を貰えてうれしいです。そして、こうしてまた会えて…。Aさんが謝ることなんてないんですよ。」



そうですよね。とそらるさんに話を向ければ彼はただ頷いた



「そらるさんもそう思ってるし、そんなに気にしなくていいですよ」


「でも……」


「もう!頑固な人ですね!それじゃあ、僕とそらるさんと、友達になってくださいよ。ちゃんと胸張って言える友達に」




他人って言われてどれほど僕が傷ついたと……とぶつぶつ言うと、彼女は慌てて謝ってきてそれから了承してくれた


喜ぶ僕と、クールに笑って見せるそらるさん

そんな中、彼女が小さく、




「あぁ……どうしよう。私は幸せ者だ」




そう呟いた―――。

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作者名:武蔵野 三歩止(ムサシノ ミホト) | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年7月1日 16時

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